ラクオリア創薬は6日、アシッドポンプ拮抗薬「RQ-00000004」「RQ‐00000774」について、韓国のCJ第一製糖と独占的ライセンス契約を締結したと発表した。CJ第一製糖は、韓国・中国における開発・製造・販売権を取得し、アシッドポンプ拮抗薬の製品化を目指す。ラクオリア創薬が締結したライセンス契約は、丸石製薬に日本と東アジアの権利を供与したEP4拮抗剤「RQ‐00000007」に続き、第2号となる。
両社は、6月に合意した消化器疾患領域での戦略的提携に基づき協議を進め、正式な契約締結に至った。今回の契約により、CJ第一製糖はラクオリア創薬に対して、契約一時金、開発段階に応じたマイルストーン、販売後のロイヤルティーを支払う。金額は非開示。
「RQ‐00000004」「RQ‐00000774」は、ラクオリア創薬が創製したアシッドポンプ拮抗薬。胃プロトンポンプへのカリウムイオンの結合を競合的に阻害することで、胃酸分泌を抑制する。
既存のプロトンポンプ阻害剤(PPI)と作用機序が異なり、胃酸分泌抑制効果が早く発現し、体内濃度に応じて長く持続するのが特徴。PPIで十分に症状が改善しない胃食道逆流症(GERD)への効果に加え、他の酸関連消化器疾患の治療薬となる可能性がある。
現在、「RQ‐00000004」は、ラクオリア創薬が米国で第I相試験を実施中。バックアップ化合物の「RQ‐00000774」は前臨床段階にある。今後、韓国と中国ではCJ第一製糖が開発を進め、製品化を目指すことになる。
ラクオリア創薬は8月、EP4拮抗剤「RQ‐00000007」について、同社第1号となるライセンス契約を丸石製薬と締結。術後疼痛・癌性疼痛治療薬の注射剤として、日本と東アジアで製品化する権利を供与している。