薬事・食品衛生審議会の医薬品等安全対策部会(部会長:松本和則獨協医科大学特任教授)は11月29日、薬剤師による情報提供が義務づけられている「第1類」の一般用医薬品7成分について、新たなリスク区分の答申案を了承した。登録販売者でも対応できる「第2類」へ3成分が移行し、1成分を「第1類」に据え置き、残る3成分は、第2類の中では特に専門家による関与が強い「指定第2類」に位置づける。告示改正後に新区分を適用する。
今回の再分類は、製造販売後調査の終了などを受けて行うもの。下部組織の安全対策調査会で事前整理を行った後、パブリックコメントを募集したが、調査会案から修正はなかった。
新たに「第2類」となるのは、アレルギー用薬「アゼラスチン」、滋養強壮保健薬「アデノシン三リン酸」、鼻炎用内服薬「ケトチフェン」の三つ。
ケトチフェンは、日本薬剤師会が第1類に据え置くよう求めていたが、同一成分の点鼻薬や、他の抗ヒスタミン作用を有する内服薬が、第2類で流通していることなどから、店頭での注意喚起を図る厚生労働省の指導や、重篤な副作用が発現した場合には「第1類」へ戻す余地を残すことを確認した上で、引き下げで決着した。
一方、女性用育毛剤「ミノキシジル」は、同一成分・同濃度の男性用製剤と同様に、第1類を継続することとなった。
指定第2類となるのは、鎮痛・鎮痒・収斂・消炎薬「ケトプロフェン」、口内炎用薬口腔内貼付薬「トリアムシノロンアセトニド」、水虫・たむし用薬「ラノコナゾール」だ。
このうちケトプロフェンについては、製造販売後調査の終了を受けた貼付剤の区分見直しに合わせ、「第2類」となっているゲル・ローション・クリーム等の外用薬も指定第2類に引き上げる。トリアムシノロンアセトニドは、ステロイド製剤だが、類似成分のプレドニゾロンが指定第2類となっており、適切に口腔内で局所使用すれば問題ないと判断した。ラノコナゾールは重篤な副作用が報告されていないため、アモロルフィンなどと同じ指定第2類とした。
このほか、4月に一般用漢方製剤基準に追加された23処方を、第2類とすることも決めた。