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来年も科学が希望を

2010年12月27日 (月)

◆今年の漢字は「暑」が選ばれた。猛暑日が日常となった観測史上最高の暑い夏は、戦後最悪の熱中症死者をもたらした。世界でもロシアや東欧で熱波や干ばつ、南米は異常低温に見舞われ、季節が冬に変わると、欧州を大寒波が襲った
◆自然の猛威に、人間が無力であることを思い知らされた。世界は地球温暖化の深刻さに気付き、必死に防止策に取り組んでいるが、いよいよツケを払う時がきたのかもしれない
◆一方で、9位には「熱」がランクイン。小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還し、人類史上初の偉業を成し遂げたのに続き、ノーベル化学賞を根岸英一、鈴木章の日本人2氏が受賞するなど、相次ぐ快挙が理由の一つに挙がった。研究者の「熱」い思いも伝わったはずだ
◆本紙も今日で納刊。国力の弱体化が叫ばれる中、これらの快挙は日本の科学技術力の高さを世界に誇示した。特にノーベル化学賞を受賞したクロスカップリング反応は、創薬に関わりが深く、薬業界にも大きな励みとなった。今は暗い世相に焦点が当たりがち。そんな時代だからこそ、来年も科学が希望を与える光であってほしい。



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