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注目される官民一体の支援活動

2011年4月8日 (金)

 今回の東日本大震災では関係団体・企業、そして個人からの義援金、支援物資の提供が相次いでいるが、中でも注目される取り組みの一つに、官民が一体となって被災地区救済のための支援物資を、海上輸送したことが挙げられる。

 協力したのは厚生労働省、水産庁、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)、日本OTC医薬品協会(OTC薬協)、日本薬剤師会などで、これに薬科大学の学生多数がボランティアとして加わった。医薬品や衛生用品などの救援物資は、3月20日に第1便が横浜港を出港し、その後、第2、第3便が続いた。

 発端は、水産庁が被災地区に海上から支援物資を輸送することになったためで、この知らせを受けた厚生労働省では、被災地で生活物資をはじめ一般用医薬品や医療衛生用品等が不足しているとの声もあり、業界に急きょ働きかけを行った。3月18日に厚労省が輸送を計画し、即座にJACDSやOTC薬協に商品の集荷と納品を要請したほか、日本薬剤師会や神奈川県薬剤師会には作業員の協力を要請した。

 何といっても短時間での集荷・納品要請だったこと、さらには店頭でも品薄の兆候が見られていただけに、医薬品や生活物資を集めるのには相当な苦労があったようだ。JACDS加盟の大手ドラッグストアの協力、他団体の協力もあって、10tトラックで約10台分の物資が要請から約半日後に、全て横浜にある水産庁水産研究所船舶陸上施設に納品された。

 かぜ薬、のどスプレー、胃腸薬、下痢止め薬、便秘薬、皮膚用薬、鎮痛消炎剤、ビタミン剤、滋養強壮剤、殺菌消毒薬といった医薬品類をはじめ、マスク、ハンドソープ、歯磨・歯ブラシ、紙おむつ、カイロなどの生活関連品が、続々と到着し、倉庫内に搬入される。チェックリストに基づいて、予め決められた場所まで手渡しで運んだのが、神奈川県薬剤師会、横浜市薬剤師会、地元の横浜市金沢区薬剤師会の有志と、薬科大学のボランティア学生たち。

 現物をそのまま持っていっても、現地では仕分けるのが大変で、必要なものが届かないこともある。そこで、いわゆる家庭の救急箱のように、様々な薬効の医薬品類を別の段ボール箱(約500ケース)に詰め替えたが、これも薬剤師会会員、薬学生らの献身的な作業で実現した。

 今回は、厚労省の支援計画に基づいて、行政(厚労省、水産庁)と民間(メーカー、配送業者、小売団体、薬剤師会等)がそれぞれの役割を発揮して、短時間の要請にもかかわらず迅速かつ効果的な活動を実現した。官民一体となった支援方法としては、恐らく初めてかと思われる。ぜひ今後の支援活動の参考になればと思う。




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