大塚製薬工場は12日、ニュージーランドのバイオ企業「リビング・セル・テクノロジーズ」(LCT)と資本提携契約を結んだ。LCTに300万オーストラリアドル(約2億6300万円)を出資し、発行済み株式の8・2%を取得する。また、糖尿病治療向けバイオ人工膵島の共同開発を行う独占交渉権を獲得し、再生医療分野の事業化を目指す。
今回の契約を受け、大塚製薬工場は、300万オーストラリアドルでLCTの普通株式2500万株を取得する。また、LCTがニュージーランドで第II相試験中のバイオ人工膵島「ディアベセル」について、共同開発・事業化権を得るための独占交渉権を獲得した。同社は、日本・中国を除くアジア地域における独占的開発・販売権を取得できる。
バイオ人工膵島の「ディアベセル」は、無菌状態で飼育されたブタの膵島細胞をカプセルに閉じ込め、糖尿病患者の腹腔内に移植し、インスリン分泌を補充する装置。重症1型糖尿病治療の新たな選択肢になると期待されている。
LCTは、1987年にニュージーランドのオークランドに設立されたバイオ企業。カプセル技術を用いた細胞治療の開発を手がけている。一方、大塚製薬工場は、輸液事業のノウハウを生かし、新規事業として再生医療領域に取り組む。