TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【印ドクターレディ】日本のジェネリック薬市場に参入‐富士フイルムと合弁会社設立

2011年07月29日 (金)

 富士フイルムは28日、インドの大手ジェネリック医薬品企業「ドクターレディーズラボラトリーズ」(DRL)と業務提携し、日本市場向けの合弁会社を設立すると発表した。新たな合弁会社は、コスト競争力の高い国内向けGE薬の開発・製造を手がけ、2014年の製品上市を目指す。インド大手のDRLは、富士フイルムと手を組み、写真フィルム技術をGE薬の開発に生かせると判断。日印合弁によって日本市場に本格参入する。

 新たに設立する合弁会社は、富士フイルムが51%、DRLが49%を出資する。会社名などは未定。合弁会社では、写真で培った富士フイルムの品質管理・生産技術と、原薬や中間体の低コスト生産でノウハウを持つDRLの技術を融合させ、国内向けにコスト競争力のあるGE薬を開発・製造する。製品販売は、昨年設立した合弁の医薬品会社「富士フイルムファーマ」のルートを活用する考え。

 富士フイルムは、三菱商事、東邦ホールディングスと合弁会社を設立し、GE薬事業に参入。写真で培った独自の品質基準を設け、仕入れ品の販売を開始すると共に、独自のナノ化技術「FTD技術」を活用したスーパーGE薬を開発する方針を打ち出していたが、さらにインド大手のDRLと提携することで、コスト競争力を補完した。将来的には、DRLのグローバルネットワークを生かし、自社・共同開発したスーパーGE薬の海外展開も視野に入れる。

 今後、富士フイルムのGE薬事業は、三菱商事、東邦HDと設立した富士フイルムファーマ、DRLと設立する新合弁会社の2面展開になるが、当面は、GE薬の開発・製造を日印の新合弁会社、販売を富士フイルムファーマが担う予定。また、三菱商事が支援する方針の原薬調達や海外販路の開拓については、今回のDRLとの合弁設立を受け、DRLルートの海外展開も検討するとしているが、今後GE薬事業を展開する二つの合弁会社で、どう役割分担を行っていくかが大きな課題となる。

 DRLは、インド大手のGE薬企業で、売上高は約1300億円。国内GE薬市場をめぐっては、5月に世界最大のイスラエル・テバが大洋薬品を買収。7月には、世界2位のドイツ・サンドがニプロと戦略提携を行うなど、外資勢の攻勢が強まっている。

 こうした中でインド大手のDRLは、日本市場参入に当たって、異業種の富士フイルムとの合弁設立を選択した。小規模のGE薬企業がまだ乱立する日本市場は、外資勢の草刈り場となりつつあり、今後もあらゆる形の提携劇が進行する可能性が高く、しばらく予断を許さない状況が続きそうだ。

関連リンク


‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術