イーピーエスのSMO子会社「イーピーミント」は16日付で、大阪証券取引所ジャスダック市場に上場を果たした。上場で調達した資金については、業務管理システムの構築や新規治験施設の開拓、CRCの人材確保に充てる計画で、今後、癌などの高難易度疾患・生活習慣病領域でSMO事業の強化を図る。さらに臨床研究の支援業務を新たな事業の柱として、育成していく方針だ。田代伸郎社長は同日、都内で開いた記者会見で、「目標とする売上高10%、営業利益15%成長の達成に向け、事業を強化していきたい」と意欲を示した。
イーピーミントは、今回の新規株式発行で得られた手取り金約2億9000万円を、臨床試験の受注・進捗管理など業務管理システムの開発、治験施設の開拓と治験実施体制の整備、CRCの採用・教育研修に投資する方針。田代氏は、「医療施設の支援が、われわれの立ち位置」と述べ、製薬企業が開発を進める癌などの難治性疾患・生活習慣病領域でシェアを拡大し、SMO事業を強化する考えを示した。また、今後の事業拡大に向け、M&Aも事業選択肢に入れていることも明らかにした。
一方、将来の事業の柱に位置づける臨床研究分野については、製薬企業の研究開発費の情報公開が進み、GCPに準拠した施設も増加している傾向にあることから、「SMOが活躍できる分野」と指摘。イーピーエスグループのシナジーを活用しながら、医療機関の周辺サービスも模索し、「3年後には新たなビジネスを構築できるようにしたい」との意向を示した。