厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は15日、食道癌に対するパクリタキセルや、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防に対するメナテトレノンの投与など、5成分9件の適応拡大について公知申請報告書をまとめた。
パクリタキセル(ブリストル・マイヤーズの「タキソール注射液」)については、効能・効果を▽血管肉腫▽再発・遠隔転移のある食道癌▽再発・遠隔転移のある頭頸部癌▽進行・再発の子宮頸癌――の4領域に広げる。いずれも米英独仏で薬事承認を取得していないが、公的保険で使用が認められている。また、これまで3週1回投与に限られていた卵巣癌への用法・用量に、週1回投与を加える。
メナテトレノン(サンノーバの「ケイツーシロップ」)は、現行だと新生児出血・新生児低プロトロンビン血症の治療の適応しか持っていないものの、ビタミンK欠乏性出血症の予防として新生児に広く使われている実態がある。
このほか、▽小児不整脈に対する塩酸プロプラノロール(アストラゼネカの「インデラル錠」)▽悪性リンパ腫に対するイホスファミド(塩野義製薬の「注射用イホマイド」)▽アンピシリンナトリウム(MeijiSeikaファルマの「ビクシリン注射用」)の小児適応――を公知申請する。なお、イホスファミドについては、2007年9月に社会保険診療報酬支払基金が、注射薬を悪性リンパ腫に処方した場合に「原則として審査上認める」との見解を公表しており、実質的に保険償還されている。
同日の会合では、メーカーに開発を要請した案件の進行状況も確認し、特段の理由なく計画が遅れているものはないと判断した。