
折井氏(左から3人目)と5人の研修生
国際協力機構(JICA)の委託を受け、国際医療技術交流財団(JIMTEF)が実施、日本病院薬剤師会が全面協力している「JICA病院薬学コース-病院薬剤師のために」の研修生の歓迎レセプションが3日、日病薬主催で東京渋谷の長井記念館で開かれた。研修生受け入れに当たって担当の折井孝男国際交流委員長は、「近年は病棟業務を取り入れていこうとの意向があるようだ。社会的背景も異なるが、日本の実態、病薬活動を知ってもらい、各国の保険制度を加味しつつ、還元してほしい」と語る。
今年度の研修にはイラクが2人、ミャンマー、パプアニューギニア、ベトナムから各1人の5人が参加し、9月27~11月3日まで行われる。
研修内容は、参加国から注目を集めつつある、チーム医療の推進における病院薬剤師による医薬品マネジメントに焦点を当てた。研修前半では、より実践に即した講義、後半では病院実習が予定されている。
主な目標は、[1]病院薬剤部門における医薬品の適切な調達・保管・管理・供給[2]医薬品の適正使用のための調剤[3]適切な医薬品情報の収集・提供等――など。
研修生は、既にJICAのブリーフィング、各オリエンテーションを終え、5日から今月中旬までは、薬剤業務の実践(注射薬管理・調剤、医薬品情報、医薬品管理、内服薬・外用薬の調剤、薬剤管理指導業務、薬剤耐性への対応など)、薬物療法の実践(がん疼痛緩和、がん薬物療法、臨床薬物動態、チーム医療と薬剤師など)、現状に即した多様な業務等についての講義が行われる。
その後、2週間にわたり東京逓信病院、済生会横浜市南部病院、横浜私立大学市民病院総合医療センター、横浜市立みなと赤十字病院の4病院で実習が予定されている。なお、講義・実習を通じて最終的には母国で実践するためのアクションプランを作成する予定。