薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は10月31日、国内2番目となるMSDのロタウイルスワクチン「ロタテック」と、HIV患者を念頭に置いたグラクソ・スミスクラインの抗真菌薬「サムチレール」の承認を了承した。アストラゼネカの肺癌治療薬「イレッサ」について、国内臨床試験成績や学会ガイドラインを踏まえ、上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性患者に使用を限定することを明確化する一部変更承認も認めた。
◇ロタテック内用液(MSD)=5価経口弱毒性ロタウイルスを抗原として、ロタウイルスによる胃腸炎の予防を効能・効果とするヒト‐ウシ遺伝子再集合体ワクチン。生後6週から32週までに、4週間以上の間隔を開けて3回接種する。7月に承認されたグラクソ・スミスクラインの1価ワクチン「ロタリックス」は2回接種だった。
再審査期間は8年で、海外102カ国で承認されている。
◇イレッサ錠250(アストラゼネカ)=「手術不能非小細胞肺癌又は再発非小細胞肺癌」となっていた効能・効果に「EGFR遺伝子変異陽性」であることを追記する。EGFR変異検査で陽性であることを確認した上で投与することは、昨年10月に日本肺癌学会がガイドラインで示しており、医療現場では一般化しているものと見られる。
◇サムチレール内用懸濁液15%(グラクソ・スミスクライン):新有効成分のアトバコンを含有し、適応菌種をニューモシスチス・イロベチー、適応症をニューモシスチス肺炎、ニューモシスチス肺炎の発症抑制を効能・効果とする。
類薬には、トリメトプリムとスルファメトキサゾールを1:5の割合(重量比)で混合したST合剤がある。再審査期間は8年。海外21カ国で承認されている。承認条件として、市販直後調査のほか、▽全例調査▽国内薬物動態試験――を求める。