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医療機器の法的位置づけが課題

2012年2月3日 (金)

 厚生労働省が1月24日に厚生科学審議会医薬品等制度改正部会の報告書を取りまとめたことを受け、与党でも改正薬事法案提出に向けた検討作業をスタートさせた。

 1月31日に開かれた民主党・厚生労働部門会議の薬事法小委員会では、議論の論点として、医薬品行政を監視・評価する第三者組織の設置や、添付文書の位置づけ見直しなどを挙げ、意見交換を行ったが、会合に参加した国会議員の関心を集めたのは、医療機器を現行の薬事法から独立した法体系に位置づけられるかどうかだった。 医薬品に限らず、医薬部外品、化粧品、医療機器の製造・輸入を行う場合、薬事法に基づく許認可が必要となる。

 しかし、医療機器の開発・製造工程の大半は、医薬品よりパソコンやテレビ、自動車といった工業製品に近い上、治験を例に挙げても、一部の企業を除いて依頼者の多くが治験の経験が乏しいなど、製薬企業とは状況が異なる。

 そのため、かねてから医療機器業界は、「医療機器には特定の生体機序に対する薬理作用を提供する医薬品とは異なる面がある」とし、薬事法から医療機器の規制条項を分離し、「医薬品・医療機器法」と改称することなどを求めている。隣国の韓国では、2000年に化粧品、03年に医療機器が薬事法から独立しており、こうしたことも影響しているようだ。

 ただ、薬事法からの独立となると、それにかかる作業は膨大となる。現状の問題点を詳細に把握した上で、運用面で改善できる部分と、法改正が必要な部分を明確化し、検証する作業が必要だ。医療機器業界は、医療機器開発の経験のある生物統計家が少なく、医療機器メーカーの多くは臨床開発の「素人」との指摘もあるが、個別化医療が進展すれば、診断薬と治療薬を組み合わせたコンパニオン体外診断用医薬品の開発増加も見込まれるだけに、いつまでも素人のままでいるわけにはいかない。

 ただ、改正薬事法案提出の優先度が低い点は気にかかる。厚労省は、通常国会への提出予定法案として、国民健康保険法や国民年金法等の一部を改正する法案などを挙げている。改正薬事法案は、医療法や予防接種法の改正法案などと同じく、“検討中の提出予定法案”に位置づけられており、優先度が高いとはいえず、不透明な状況だ。

 とはいえ、議論が与党に委ねられた以上、医療機器にとどまらず、医薬品行政や添付文書など、現行の運用が大きく改善されるような仕組みの構築に向けた議論を期待したい。




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