厚生労働省の検討会(座長:永井良三自治医科大学学長)が、特定健診・保健指導制度の課題を整理し、当面の対応を中間的に取りまとめた。腹囲を保健指導対象者を選別する第一基準にしていることを含め、制度のあり方について客観的なデータや明確な知見に基づいた議論ができるよう、データの蓄積を進めると共に、計画的に研究を行うよう促している。
特定健診・保健指導制度では、内臓脂肪型肥満に着目した生活習慣病予防のために、腹囲に重点を置いて保健指導の対象を絞り込んでいるが、循環器疾患の発症リスクなどの観点から、腹囲を対象者選別の第一基準とすることを早急に見直すべきとの意見もある。
しかし、中間まとめでは「内蔵脂肪型肥満に着目した制度の枠組みを方向転換するといった明瞭な結論づけを行うには不十分」と判断した。
また、腹囲が基準を下回る保健指導の非対象者にも血圧、血糖、脂質、喫煙といった個々のリスクに応じて適切に介入できるよう、保健指導者向けの標準プログラムの中に指針を明記する必要性も指摘している。
このほか、特定健診の項目として、慢性腎臓病の診断に重要な血清クレアチニン検査を追加する方向性も確認し、健診の実施主体である医療保険者らとの協議・調整を求めた。