エーザイの米研究子会社「H3バイオメディスン」と英バイオベンチャーのホライズン・ディスカバリーは共同研究契約を結んだ。H3は、ホライズンが持つ癌患者の遺伝子特性が反映された世界初のヒト細胞株を活用し、創薬ターゲットとなる癌標的分子の同定を目指す。
H3は、遺伝子情報に基づく新規抗癌剤の創薬に取り組んでいる。一方、ホライズンは、組み換えアデノ随伴ウイルスを介した遺伝子操作技術「GENESIS」により、癌の発症に関わる400以上のヒト由来同質遺伝子細胞株「X‐MAN」を構築している。
今回の共同研究により、両社は、癌患者の遺伝子特性が反映されたX‐MAN細胞株をもとに、特定薬剤に高い効果を示す創薬標的の同定を目指す。ホライズンは、化合物探索に向けた評価系の構築や薬剤のプロファイリング技術も提供し、H3が行う標的分子の機能検証や化合物スクリーニングを支援する。その後両社で、共同研究で見出された新規標的候補分子について、創薬の妥当性に関する最終判断を行う。
契約では、H3は共同研究で見出された標的分子に関する権利を独占的に保有する。またホライズンに対して、契約一時金と、化合物が前臨床・臨床入りした場合にはマイルストーンを支払う。一方、H3が共同研究の成果物に関して、オプション権を行使しない場合には、ホライズンが商業権を得る。