厚生労働省の専門家会議が、東京大学病院が申請していた高度医療の「ゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫細胞治療」に保険診療との併用を認めることを決めた。適応症は標準治療抵抗性の非小細胞肺癌で、既存の化学療法や分子標的治療と異なる作用機序による抗腫瘍効果が期待できる。
γδT細胞は特定の受容体を介して腫瘍細胞を認識でき、ゾレドロン酸によって増殖させると抗腫瘍活性を持つため、免疫療法に応用できる可能性がある。
そこで、患者末梢血から採取した単核細胞に含まれるγδT細胞をゾレドロン酸とインターロイキン2によって刺激培養した後に点滴静注で体内に戻して、有効性を検討する。
第I相試験では肺癌に対するセカンドラインの標準化学療法と同等の成績が得られているという。
典型症例の保険外患者負担は研究費による補てん分を除いて約132万円。