日米欧医薬品規制調和国際会議(ICH)は11月にアメリカ・サンディエゴで開催する予定の会合から、ガイドラインのICH合意手続きを見直す。6月上旬に開かれた福岡会合の成果として厚生労働省が明らかにした。各国がパブリックコメントにかけるガイドライン案を決定する「ステップ2」の手順を、ガイドラインに盛り込む内容を示す技術文書を専門家作業部会から運営委員会が受け取る「ステップ2a」と、ガイドライン案を運営委員会として承認する「ステップ2b」の2段階に分けることが柱。
これまでICHでは、産業界と規制当局が対等な立場でガイドラインの合意形成に関与してきた。しかし、規制を受ける側の業界が当局と同じ立場で関わることを欧州医薬品庁が問題視した。そのため福岡会合では、当局と業界の役割を明確にする観点から、新設の「ステップ2a」で当局と業界が技術文書を合意して以降は、当局側の責任でガイドラインを策定していく方針を確認した。
また、運営委員会の新規トピック採択の運用も変更する。従来どおり3極の各当局・業界の全ての合意を原則としながら、業界の理解が得られない場合の例外的措置として、当局の合意だけで採択し、専門家作業部会を設置できるようにする。ただ、厚労省は「当局と業界の位置付けに変わりはない」としている。
さらに、“ラポーター”と呼ばれる議論のまとめ役を技術的な問題に精通する業界の中から選ぶことが多いため、議長ポストを新たに設けて当局が担当することも決定した。