エーザイは10月1日に、子会社で臨床検査薬などを扱う三光純薬の株式を全て取得し、完全子会社化することになった。三光純薬の遺伝子増幅技術などを生かし、今後進展が期待される患者個々人の薬剤の効果や、副作用をあらかじめ調べる遺伝子診断分野を強化し、治療薬とのシナジーを狙う。
26日に両社は合意し、株式交換契約を締結した。現在エーザイは三光純薬株の50.59%を保有している。三光純薬の2005年度業績は、売上高54億円、営業利益1.5億円。
三光純薬はエーザイグループの中で、診断薬の製造・販売に一本化してきた。この中で独自の遺伝子増幅技術「PALSAR」を開発、日米欧で特許を取得している。一方で、エーザイは今後、予防や診断の重要性が高まり、「特に遺伝診断分野は、テーラーメイド医療の進展が予測される状況下で、個々人の体質、薬剤応答(副作用や効き目)など治療剤とのさらなるシナジーが期待される分野」と判断。
完全子会社化することで、グループ全体の経営資源を活用できるようにし、新しい診断薬の開発のスピードアップを図ることにした。