厚生労働省は先進医療専門家会議を開き、3月に受け付けた新規技術の中で事前評価を行った3技術のうち、「定量的CTを用いた有限要素法による骨強度予測評価」について、将来的な保険導入を前提として、保険外診療と保険診療の併用を認めることを了承した。
この診断法は骨強度を非侵襲的に予測する方法で、これまで臨床で用いられてきた骨強度評価法に比べ、脆弱性を有する骨部位の強度を直接的、かつ非侵襲的に定量・予測評価できる。骨塩定量ファントムと共に、対象骨のCTを撮影し、データを有限要素解析のプログラムにより処理する。適応症は骨粗鬆症、骨変形、骨腫瘍、骨腫瘍掻爬術後・骨髄炎爬術術後。
実施に当たっては、責任医師は整形外科専門医の資格が必要で、診療科の経験年数が6年以上、技術の経験年数が1年以上。経験症例数は助手は不要で、術者は1例以上が要件とされた。
このほか、事前評価がなされた技術のうち、「神経芽腫患者における血清中遊離DNAを用いたMYCNがん遺伝子増幅判定」(適応症:神経芽腫)は、ごく限られた医療施設のみで施行されており、さらに症例数を増やして有用性を検証することが必要だとし、保留となった。
「頭皮上電位分布解析によるMCI診断支援と認知症の経過観察」(適応症:MCI<軽度認知機能障害>、認知症)は、研究段階にあることなどを理由に適当でないと判断された。