自国の伝統医療の国際標準化を目指す中国・韓国に対し、日本でも漢方医療の国家戦略が求められている。特に漢方薬の原料となる生薬では、8割以上が中国からの輸入に依存し、国内自給率は約13%と、国産生薬の安定的確保が課題だ。このほど都内で開かれたシンポジウム「薬草産業の将来展望」では、薬学・法学・医学・農学の専門家が産官学の連携のあり方などを探った。
医学の立場から渡辺賢治氏(慶應義塾大学教授)は、現在の漢方医療について、「医者の9割が日常診療で漢方薬を使用しており、一つの医師免許で西洋医学と漢方医学の両方に対応できる」と質の高さを強調。ただ、ISO/TC249など伝統医療の国際標準化をめぐっては、「自国医療を世界遺産に登録しようとしている中国・韓国の前に、日本は傍観者になっている」と指摘した。
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