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セルフM推進へ薬剤師は覚悟を

2013年8月26日 (月)

 厚生労働省は発売直後のスイッチOTC薬と劇薬指定品目の計28品目の特性や販売上の留意点を整理するための専門家会合と、ネット販売の解禁が決まった一般薬の販売ルールを決める作業グループの初会合を相次いで開き、日本再興戦略に盛り込まれた一般薬のネット販売解禁に伴う積み残しの議論を開始した。

 厚労省は9月中をメドに二つの検討会の結論を出し、秋の臨時国会に薬事法改正案を提出したい考えだが、専門家会合ではスイッチ直後品目は予期せぬ副作用の恐れがあるとして、多くの委員からネット販売解禁には慎重であるべきとの意見が出ている。

 販売ルール策定の検討会でも、利用者の求めに応じて専門家が店頭や電話で相談に応じられる体制整備などで意見の隔たりがある。

 作業グループの初会合で厚労省が示した対応案には、購入者が情報提供の内容を理解した旨を確認してからの販売や、第1類の使用者から情報提供不要の意思表示があった場合でも、薬剤師が説明を要しないと認めない限り説明を行うような規定の見直しなど、既存の対面販売のルールがこれまで以上に厳格になる可能性を含んだ方向性も示された。

 作業グループの初会合でネット販売推進派の國重惇史委員(新経済連盟顧問)が「ネットを規制するために対面の規制も厳しくなってもいいのか」と質したのに対し、藤原英憲委員(日本薬剤師会常務理事)が「セルフメディケーションを安全なものにするためには、しっかりやる必要がある。われわれの存在価値はそこにある」と応じる場面があった。

 過去の検討会では、ネット販売慎重派から「医薬品は使い方を誤れば命に関わる健康被害が出る可能性があり、専門家による対面での販売が必要」という主張を何度も耳にしたが、同時に、購入者の状態に合った薬を手間をかけて選択し続けた薬局がどれくらいあったのかという疑問もついて回った。

 これまで薬剤師は健康管理の窓口となるべく、地域の人々との関係づくりに十分努力してこなかった面があるのではないか。それにより「相談薬局」が減ってしまったことが、“一般薬は販売の現場でのチェックやコミュニケーションが乏しいネットでも販売できる”という雰囲気を作り出した要因の一つになったとは考えられないか。

 23日の有識者会議では、スイッチ直後品目と劇薬は、ネット販売の対象から外すべきとの方向で委員のほぼ認識が一致した。これらをネット販売から除外することになれば、対面販売ルールの厳格化は免れまい。薬剤師にも相応の覚悟が必要になるだろう。

 いま、薬剤師は大きな変革を求められている。セルフメディケーションの効用を最大限に高めるための取り組みを実践し、“この頃から薬剤師は変わった”と言われる日が来ることを期待したい。




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