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簡易検査の「規制緩和」は本当か

2014年4月18日 (金)

 厚生労働省が臨床検査技師等法に基づく告示を一部改正したことにより、薬局での自己血糖測定が可能となった。厚労大臣が定める施設の一部を改正し、新たに「人体から採取された検体(受検者が自ら採取したものに限る)について、生化学的検査を行う施設」を追加。衛生検査所の届け出を行わずに、薬局での血糖自己測定ができることを明確にした。これまで地域によって、薬局で血糖自己測定が可能かどうか保健所の判断が異なっていたことを考えると、グレーゾーンが解消された意義のある改正だった。

 しかしその後、厚労省は、経済産業省と連名で今回の改正に関連する基本的な法令解釈等を示したのに続き、衛生検査所の登録が不要な薬局等の施設を「検体測定室」と定義し、具体的な手続きと留意点等をガイドラインとして示した。

 ガイドラインでは、「検体測定室」を開設しようとする薬局に対して、開設7日前までに厚労省に届け出ることを求めているほか、血糖測定に当たって検査を受ける人に対し、特定健康診査や健康診断ではないことなど、11項目を口頭で説明し、同意を得て承諾書をもらうこと等を求めている。

 測定結果についても、測定値と測定項目の基準値のみにとどめるものとし、検査を受けた人から測定結果による診断等に関する質問があった場合、“薬剤師が回答せずに”、かかりつけ医に相談するよう助言することとした。さらに、感染防止対策の徹底や、穿刺器具は使い捨てタイプを使うこと、機器の精度管理、標準作業書、台帳の作成まで、非常に多くの対応を求めるものとなっている。

 今回の制度改正をよく眺めてみると、臨床検査技師等法の告示改正で規制を緩和しつつ、ガイドラインによって要件を厳しくしてしまった感がある。実際、現場からは「かえって薬局でやれる範囲が狭まるのでは」と懸念する声も上がっている。

 もともと、2005年4月の薬事法改正によって、血糖自己測定器は「高度管理医療機器」に分類され、薬局での販売に当たって責任が重くなった一方、病院内での購入ができなくなったことで、薬局が受け皿となるビジネスチャンスを生み出した。

 当時から、法的にはグレーゾーンでありながら、全国各地で薬剤師職能を発揮しようと、血糖自己測定器を用いた糖尿病予防への取り組みがなされてきた集大成が、今回の規制緩和であるはずだった。それがフタを開けてみると、かえって薬局で職能を発揮できる範囲を狭めることにつながったというのであれば、何のための規制緩和だったかということになりかねない。

 まだ今回の制度改正についての評価を行うのは時期尚早であり、今後の推移を見守る必要があるが、少なくとも現場の長年の努力に水を差すようなことにつながらないよう望みたい。




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