味の素医薬カンパニーは19日から、透析中の血圧低下の原因の一つである酢酸を除去した透析用剤「カーボスター」を発売する。
現在使用されている透析剤は、アルカリ化剤として主に炭酸水素ナトリウムを用いているが、カルシウムやマグネシウムなどの炭酸塩生成による結晶析出を防ぐために、少量の酢酸が添加されている。ただ、酢酸には心機能抑制作用や末梢血管拡張作用があるため、透析中の血圧低下原因の一つとも考えられている。
カーボスターは、クエン酸‐クエン酸ナトリウム緩衝系で透析液のpHを調整する初の酢酸を含まない製剤。
液剤の「カーボスター透析剤・L」、粉剤と液剤を混合した「カーボスター透析剤・M」、粉末剤の「カーボスター透析剤・P」の3タイプが用意されている。
薬価は、Lタイプが6Lで2006円、9Lで2693円、Mタイプが1365円、Pタイプが1138円。今年度中に約13億円の売り上げを見込む。