◆厚生労働省は、倫理審査委員会(IRB)の認定を始める。相次いで発覚した臨床研究不正を受け、被験者を守るべきIRBが歯止めとならなかったことが問題視され、これまで放置されてきた事態が解決に向け動き出すことになった
◆IRBの審査が形骸化していることは、以前から指摘されてきた。患者の同意を取らなかったり、倫理指針を守らずに臨床研究を行う事例も後を絶たない。それだけ日本では被験者が蚊帳の外に置かれてきた
◆今回の認定で乱立するIRBのうち質の低いものが淘汰される効果はあるかもしれないが、研究の公正性、被験者の人権保護という観点で急に委員の意識や審査能力が高まるわけではないだろう
◆関係者には「結局、国がGCPで各施設にIRB設置を求めたことが乱立につながった」との指摘もある。国の方針が今日の状態を招いたとしたら、それに対応する責任がある。認定は、その単なる一歩に過ぎない。人間の生命、人権に関わる重大なことだからこそ、目指すべき理想はあくまでも高くあるべきだ。
倫理審査委員会の認定はじまる
2015年03月02日 (月)
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