日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が主催する第15回JAPANドラッグストアショーが、今月13~15の3日間、幕張メッセを会場に開かれた。今年は会期前日の12日に業界関係者・マスコミを対象に初の試みとして、テーマブースや53社の出店ブースを開放する「プレビュー開催」が取り入れられ、この日を含めた開催中の総来場者は12万9504人と、昨年と同規模の人数で大いに盛り上がり、関係者は胸をなで下ろした。
設立以来、一貫してセルフメディケーション推進を重点事業の一つに掲げてきた同協会。今回のテーマにも『セルフメディケーション!15回目の挑戦!』と掲げ、ドラッグストアで扱う商品や関連する情報などを、様々な趣向をこらした展示で披露したが、特に今回はドラッグストア業界が直面する課題、そして今後をアピールする部分が多かったのが特徴的といえる。
昨年設立15周年を迎えたJACDSでは、今回のショーをその記念事業の一環と位置づけ、協会テーマブースでは今年度取り組んでいるプロジェクトや研究事業などを業界内外に広く訴求した。中でもセルフメディケーションの推進、4月から施行される食品の機能性表示内容、介護食品(スマイルケア食品)への取り組みなど、業界の将来を左右する課題に対して、JACDSとしての考え方、対策などを分かりやすくパネル展示で解説したが、これら最新の情報は来場者に、改めてドラッグストア業界の置かれている現状を再認識させたようだ。
少子高齢化も背景に、地域の商圏環境も変化を見せ、小売業態は狭小商圏でのシェア争いが顕著になっている。さらには、食品の機能性表示解禁が健康食品の販売面に影響を与える可能性もある。また、JACDSが実施した第15回目となる日本のドラッグストア実態調査(2014年度版)では、総店舗数は依然として堅調な増加基調にあるが、推計売上高は前年度比1・0%増と、伸び率の鈍化傾向もうかがえる。
「ドラッグストア業界は新たな取り組みと、次世代型のビジネスモデルを構築しなければならない。これまでの規制業態から、脱規制業態へのシフトが求められており、ドラッグストアは自ら新しいマーケットを創り出し、新たな役割・機能を持ち得た専門店として進化を図る時代」とするJACDSでは、15周年記念事業として様々なプロジェクト、研究会を進めている。さらに経済産業省の「ドラッグストアのあり方」研究会提言を受けて、新年度からは新たな事業戦略を打ち出していく計画とも聞く。
政府が推進する日本再興戦略の中で掲げられた「国民の健康寿命の延伸」。これにどう貢献し、役割を発揮できるかが、ドラッグストアの成長戦略ともなる。その意味でも、今年の行動は非常に重要だ。