井上、伊賀両氏に藍綬褒章
政府は4月29日、「2015年春の褒章」を発令する。主な受章者は次の各氏。
文部科学省関係
◇紫綬褒章
吉田潤一(京都大学教授、62歳):有機合成化学分野において、単寿命活性を最大限制御することで、従来達成困難だった分子変換法を構築するなど、合成化学に新分野を創成した。
豊島近(東京大学教授、60歳):構造生物学分野において、イオンポンプ蛋白質の構造解析に成功するなどの画期的な業績を挙げた。
宮澤陽夫(東北大学教授、65歳):食品学分野において、過酸化脂質を高精度に定量するシステムを開発し、食品による健康増進と疾病予防のための新たな方法論を確立するなど、食品の機能性解明に貢献した。
米田悦啓(大阪大学名誉教授、医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、59歳):細胞生物学分野において、核と細胞質の間の物流機構を分子レベルで解明すると共に、核輸送因子が発生・再生など様々な生命現象に関与することを明らかにするなど、医学、生命科学の発展に貢献した。
藤田敏郎(東京大学名誉教授、67歳):高血圧・腎臓病学分野において、食塩による高血圧と腎障害発生の分子機序を発表すると共に、この仮説を臨床研究により証明し、日本人の高血圧と慢性腎臓病の治療指針に新たな戦略を与えた。
越智光夫(広島大学学長、62歳):患者の健常な軟骨組織から単離した細胞をアテロコラーゲンと混合して三次元培養し、軟骨欠損部に移植するという従来法の欠点を改善した自家培養軟骨を開発した。
◇藍綬褒章
井上優美子(65歳):東京都学校薬剤師会会長
厚生労働省関係
◇藍綬褒章
伊賀光政(65歳):元東京都薬剤師会会長