来年4月に施行される後期高齢者医療制度の診療報酬体系について検討している社会保障審議会「後期高齢者医療のあり方に関する特別部会」(部会長:糠谷真平国民生活センター顧問)は、診療報酬体系の骨子をまとめた。外来、入院、在宅とも、医療関係者のみならず、介護・福祉関係者と連携、情報共有して患者を診ていく必要性を指摘し、診療報酬で評価するよう求めた。その中で、外来、在宅では多数の薬剤を服用している可能性もあることから、薬剤の管理が必要だとして「診療報酬上の評価のあり方について検討すべき」と明記した。今後、中央社会保険医療協議会での審議で具体化することになる。
骨子では、後期高齢者の生活、尊厳を重視した医療を軸としながら、年齢の違いではなく、患者個人の状態に応じた医療行為の必要性を指摘した上で、外来、入院、在宅、終末期に分けて、診療報酬上の評価が必要となる項目を列挙した。
外来では、主治医の役割を重視。患者の病歴や受診歴、服薬状況、他の医療機関の受診状況、日常生活動作、認知機能などの把握が求められるとし、相応の評価が必要だとした。
その中で、薬剤師の役割にも触れ、「服用している薬の種類が多いこと、入退院も少なくなく、服薬に関わる医療関係者も多くなると考えられることから、薬の相互作用や重複投薬を防ぐ必要がある。このため、医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師及び看護師)や患者自身が、服用している医薬品の情報を確認できるような方策を進めるための診療報酬上の評価のあり方について検討すべき」と明記した。
入院では、退院後の生活を見越した診療計画が必要と指摘し、そのための評価を求めた。
在宅では、特に医療と介護・福祉関係者との情報共有、連携体制の確保の重要性を指摘した。その中で、「在宅療養における服薬支援」の必要性も明記。在宅医療で起こりがちな薬の「飲み忘れ」などによる状態悪化を防ぐには、本人や家族、介護者による日々の服薬管理が重要になることから、服薬管理を支援するための診療報酬体系も考慮すべきとしている。