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◆日本での配合剤市場が活性化してきた。昨秋、久しぶりに医療用の配合剤として降圧剤のプレミネントが発売された。同剤はARBと利尿薬の2成分を配合している
◆欧米の高血圧治療ガイドラインでは、症例によっては併用療法が1次選択として推奨されている。日本のガイドラインでは、まず単剤で血圧管理するのが通例だが、次改訂のガイドラインでは、1次選択としての併用療法も検討され始めている
◆配合剤の利点はずばり患者のため。単剤を使用する併用療法よりも配合剤の方が、患者の利便性は向上し、良好な服用コンプライアンスが期待できる。確実な降圧効果を組み合わせた既製品があらかじめ用意されていることで、医師も便利に処方できる。今春には喘息治療吸入薬のアドエアも配合剤として登場した
◆ただ副作用が出現してもどの成分が原因か特定しにくい、一定の比率で配合されているため細かなさじ加減ができないという治療上の問題や、在庫が増えるという薬局側の問題点もある。だが短所を差し引いても配合剤の開発に拍車がかかることは、今後の薬物治療に明るい兆しをもたらす。