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ニッチ領域に挑むアイルランド企業”No.2”

2007年11月14日 (水)

マイクロケム・ラボラトリーズ(Microchem Laboratories)

【EUからバッチ出品検査施設としても認可】

カフォーラ氏(右)
カフォーラ氏(右)

 マイクロケム・ラボラトリーズは、1986年に設立されたアイルランド最大手の受託ラボで、GMP準拠の微生物試験、分析試験を20年以上行ってきた歴史を持つ。従業員は100人で、化学、微生物学の学位を持つ専門職員が分析・検査に当たっている。

 マイクロケムの工場は、米国FDAの基準cGMPに準拠すると共に、アイルランド医療庁(IMB)から受託ラボとして承認されている。さらに最近、EUのバッチ出品検査の実施施設としても認められた。事業開発部マネージャーのアルフォンソ・カフォーラ氏は、「日本の製薬企業が最終品を欧州に輸出することを希望する場合、私どものサービスが役に立つのではないか」と話している。

 新たにマイクロケムは、DNAの塩基配列に基づく微生物の同定検査サービスも開始した。これまで医薬品の製造プロセスでは、グラム染色などによって微生物モニタリングと原因菌同定が行われてきた。しかし、培養検査では100%微生物が発見できるわけではなく、製薬企業にとっても微生物の発見は、製造中止に追い込まれるため打撃は大きい。

 そこで、DNAの塩基配列に基づく検査を行うことで、確実に微生物を同定できるメリットが出てくる。マイクロケムは、欧州で最初に遺伝子解析によるサービスを始めた受託ラボであり、カフォーラ氏は「製造過程において、無菌処理が欠かせないホルモン剤などを開発する製薬企業にとっては、魅力あるサービスだと思う」とアピールしている。

 また8月末には、米国の大手受託ラボ「ランカスター・ラボラトリー(Lancaster Laboratory)」の傘下に入った。これまでマイクロケムは、欧州市場をターゲットとしてきたが、カフォーラ氏は「ランカスター・ラボラトリーへの傘下入りを果たした結果、日本の製薬企業にもアピールできる段階に入った」と述べ、日本市場に熱い視線を送る。

 マイクロケムの強みは、顧客との緊密な協力関係のもと、ITを駆使したウェブレポートサービスなど、自社ラボの延長として使用できる点である。既にアイルランドに進出している大手製薬企業の90%から業務を受託するなど実績も十分で、それをグローバルな市場展開へと広げる新たな飛躍の時期を迎えた。



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