論文作成をイチから始める初心者に最適なガイドブック!
「研究テーマの選び方」、「文献の探し方」、「研究データの集め方」、「研究の発表の仕方」など論文作成に関する研究のはじめから終わりまでの全工程をわかりやすいように順をおってやさしく解説しています。
著者が実際に作成した研究計画書や論文例を多数掲載しており、初心者でも簡単に論文作成のイメージをすることができます。
また本書の特長の一つとして、臨床で活躍する医療従事者が『研究』をすることの意味、研究成果を論文にまとめ発表することの必要性などについても記載してあるので、これから医療現場で研究に取り組みたいと思う初心者の方々にうってつけの入門書です。
目次
第1章 研究をはじめる前に
1.研究とは何か
2.なぜ医療従事者が研究をするのか
3.どのような課題が研究になるのか
第2章 研究に必要な情報を収集しよう
1.既存の文献(論文)を調べる理由
2.論文作成時の「引用文献(References)」の準備
3.参考になる研究や論文を探す具体的な方法
4.文献検索以外でもできる情報収集
第3章 研究を計画しよう
1.はじめに
2.研究方針を立てる
3.質的研究と量的研究
4.質的研究法による研究手順の例
5.おわりに
第4章 研究と倫理
1.はじめに
2.臨床研究の歴史と研究倫理の発展
3.審査と被験者の保護
4.侵襲と介入の定義
5.倫理審査委員会と審議
6.倫理審査委員会からの承認を得るためのコツ
第5章 書類を作成しよう
1.はじめに
2.臨床研究とは?
3.研究計画書の作成ならびに審議
4.診療録の後方視的調査(観察的研究)
5.アンケート調査
第6章 データを取る
1.はじめに
2.データ収集
3.データ管理
4.データの保管
5.データの廃棄
6.データの共有
7.同意の取り方
8.おわりに
第7章 データを分析しよう
1.はじめに
2.統計解析を始める前に
3.ランダム化試験と観察研究の違いとは
4.データを記述・要約してみよう
5.統計解析手法
6.検定とは
7.統計解析ソフトウェア
8.おわりに
第8章 学会発表しよう
1.学会発表について
2.資料を作成する前に確認すること
3.発表する学会を決める
4.演題を登録する
5.発表形式
6.学会発表する前に練習する
第9章 論文を投稿しよう
1.研究成果を論文として残す
2.論文投稿から掲載までの流れ
3.投稿する雑誌を決める
4.投稿規定を確認する
5.論文の執筆
6.著者の資格
7.投稿用に原稿を整える
8.査読結果が帰ってきたら
序文
日々進化し続ける医療、それを支える高度先進機器や新たな作用機序による新薬の登場など、医療を取り巻く環境は常に進化、高度化を遂げています。
そのため、医師を始めとする医療を支える医療従事者には生涯研修は必須であり、その内容も従来の受講スタイルのものに加え参加型、あるいはケーススタディによるSGDなどへ広がりを見せています。
さらに、職能団体による学術大会や関連学会に出席し、業務遂行による成果あるいは臨床成績等に関する分析結果などを発表する機会も増えつつあります。
そのようななか2015年春、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が正式に交付されました。
今後は、同指針に沿った臨床・疫学研究を進めることが求められます。医療従事者それぞれの領域で研究する際、倫理審査が必要か否かを判断し、必要に応じ倫理審査が必須となります。
より積極的に臨床上の成果等を適切なエビデンスとして示すには、倫理指針に則った研究デザインのもと、適切な研究、データ集計、統計処理等を経た成果・結果によって証明することが求められます。
そのため従来の「報告・発表」段階から、研究成果を論文にまとめ、学会等で発表しようとの機運も高まりつつあります。
ただ、実際のテーマ選びや事前の同意取得、研究の組立て方、資料等の収集方法や引用の仕方、データ分析から論文作成、さらには学会誌への投稿や発表に至るまで様々な過程があり、初心者の方にとっては一定のハードルがあるのも事実です。
そこで本書では、医療現場での研究、主に「臨床・疫学研究」推進とその発表を支援するため、研究テーマの探し方から論文作成、投稿・発表に至るまでの過程を基本的なガイドとしてまとめました。医療現場で研究に取り組みたいと思う初心者の方々にとっての入門書としてご活用頂き、さらなるステップアップに繋げて頂ければ幸いです。
【著者】山浦 克典、鈴木 匡、亀井 美和子、熊谷 雄治、伊勢 雄也、山本 紘司、飯嶋 久志(16’04)
【判型・頁】A5判・176頁
【定価】2,420円(消費税込み)
ISBN978-4-8408-1346-4 C3047
※ 送料:国内1カ所送付につき、重量5kg以下 660円、重量5kg超 990円