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2007年その他の主なニュース

2007年12月26日 (水)

 医療、薬事、薬学教育などの各制度が転換期にあるだけに、10大ニュースとして掲げた以外にも、薬業界にとって重要なニュースは枚挙にいとまがない。その中から主なものをピックアップし、今年1年間を振り返ってみたい。


【医療制度改革、着々と進行】

■薬局機能公開と安全管理の整備

 医療制度改革の一環として、4月からは薬局等の機能情報公開制度と、薬局における安全管理体制の整備がスタートした。

 改正医療法では医療機関の機能情報を患者に提供する制度が4月から導入され、医療提供施設となった薬局にも、改正薬事法で同様の仕組みが設けられた。薬局開設者に対し、薬局機能に関する情報を都道府県へ報告することを義務づけ、その情報を都道府県が住民・患者に提供する体制を敷き、住民の薬局選択を支援するもの。既にいくつかの都道府県で情報提供が始まっている。

 薬局における安全管理体制の整備では、医薬品業務にかかる医療安全を確保するため、▽医薬品安全管理のための責任者配置▽従業者から薬局開設者への事故報告体制整備▽手順書の作成とそれに基づく業務の実施▽医療の安全確保を目的とした改善策の実施――などが、薬局開設者の遵守事項として規定された。

東京都薬局機能情報提供システム
東京都はWebで薬局機能情報を提供

■患者の居宅で処方せんを確認

 調剤の場所等の規制を緩和する薬剤師法施行規則の一部改正が4月1日から施行された。改正医療法で、在宅医療推進から調剤業務規制の一部緩和が求められていたことに対応するもの。FAX処方せんによって薬局で調剤を行い、患者宅まで薬剤師が訪問し、処方せんを確認した上で薬剤を交付できる。

 患者宅で行える調剤業務は、「処方せん中に疑わしい点があるか確認する」「疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師等に問い合わせて、その疑わしい点を確かめる」といった確認作業。患者宅の範囲は「医療を受ける者の居宅」のほか、特別養護老人ホームなどが省令で定められた。

■実務実習に向け各種課題を検討

 薬学教育6年制がスタートして2年目を迎えた今年は、5年次の実務実習の円滑な運営に向け、CBTやOSCEのトライアル、第三者評価のあり方が、薬学共用試験センターや全国薬科大学長・学部長会議などで検討された。

 12月の共用試験センター総会では、学生が実務実習を行うに当たって、大学教育の質を担保し、社会に対し説明責任を果たす観点から、大学の評価を行う組織をNPO法人とすることを決めた。また学長・学部長会議では、CBTとOSCEの運営費を、原則として学生から徴収する方針が決まった。

■薬局間の麻薬譲渡が可能に

 厚生労働省は、医療用麻薬の薬局間譲渡を認める麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部改正を行い、9月から施行した。癌患者の在宅医療推進という政府の方針に基づく医療用麻薬取り扱い弾力化の一環で、同一都道府県内で予め許可を受けた麻薬小売業者(薬局)間での譲渡・譲受が可能となった。

 省令改正は、薬局における医療用麻薬の在庫が少なく、急な処方せんに対処できないケースに対応したもの。麻薬小売業者が処方せんに記載された分量の麻薬を調達できない場合に限り、予め地方厚生局長に申請して許可を受けた2者以上の麻薬小売業者間で譲り渡しを認めた。

■薬剤師需給の将来動向を予測

 薬剤師需給の将来動向に関する検討が始まった。医療制度や薬事制度の改正により薬剤師業務が拡大する一方、薬学部の新増設に伴い薬剤師国家試験の受験者が大幅に増加すると見込まれるなど、薬剤師需給の変動要因が出ていることから、改めて将来動向を予測しようというもの。

 厚生労働省医薬食品局に設置された「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」は、5月28日に初会合を開き、[1]薬剤師が従事する職域の実態および将来の需要予測[2]薬剤師入学定員数の状況を踏まえた薬剤師の供給予測[3]需給動向が薬剤師・薬学生の資質に与える影響等の考察――について検討を開始した。6月末の第2回会合では、厚労省から2028年には総薬剤師数が44万人弱、需要は30万人弱という大まかな試算が示された。

■薬剤師国試の出題基準見直し

 厚生労働省は、薬剤師国家試験を薬学教育6年制にふさわしいものとするため、出題基準などの見直しを開始した。

 6月18日に開かれた薬剤師国家試験出題検討会の初会合では、薬学教育モデル・コアカリキュラムで示された領域を出題基準に組み入れ、6年制課程を通じて、薬剤師として必要な知識、技能、態度などを修得しているかを的確に確認することを、国試の基本的考え方に位置づける方針が決まった。

 検討会では、▽試験区分及び問題数▽薬剤師国家試験出題基準▽試験の実施方法(出題形式、回答形式を含む)▽合格基準――などの検討が順次進められていく。

■日調が久留米のFAX分業批判

 九州の久留米大学病院が4月から完全分業へ踏み切るに際し、同病院が導入を目指したFAXコーナーは不適切だとして、大手調剤薬局チェーンの日本調剤が2月2日付で久留米三井薬剤師会と日本薬剤師会に是正を申し入れた。昨年から続いていたFAX問題に、日調が実例を挙げて提起した構図だ。

 同月9日に会見した同社の河野慎一専務取締役は、同院で想定されるのは“福岡市薬方式”と呼ばれるFAX分業で、医療機関から直接患者に処方せんが渡されるという大原則が守られず、民間の一機関を経由して渡されるとし、「そもそも論として由々しきこと」と厳しく批判した。


【開発や審査も新たな体制へ】

■治験の活性化へ新計画スタート

 厚生労働省の「次期治験活性化計画策定に係る検討会」は2月23日、「新たな治験活性化5カ年計画」を了承。計画は4月から実施に移された。

 新5カ年計画は「治験・臨床試験のコスト、スピード、質を米国等諸外国並みに改善する」「国際共同治験の実施数を、アジア周辺国と同等以上の水準まで向上させる」「国民が安心して治験・臨床研究に参加できる体制を確保する」ことを目標に掲げた。

 目標を具体化するためのアクションプログラムでは、[1]中核病院・拠点医療機関の体制整備[2]治験・臨床研究を実施する人材の育成・確保[3]国民への普及啓発、参加促進▽治験の効率化、企業負担の軽減――などについて、具体的な数値目標が示された。

■利益相反が決着、新ルールを設定

 医薬品の承認審査に関わる利益相反問題を検討していた薬事・食品衛生審議会薬事分科会のワーキンググループは11月28日、審議参加の条件などを定めた利益相反ルールをまとめた。来年から適用の予定。

 利益相反の問題は、抗インフルエンザウイルス薬タミフルと、その服用者の異常行動との関係などを調べていた一部研究者に、薬剤を販売する中外製薬から奨学寄付金が支払われたり、調査研究の資金が充てられていたことに端を発したもの。

 新ルールでは、奨学寄付金を除く寄付金や契約金を、審査の対象品目やその競合品目を申請した企業から、1社当たり年間300万円以上受領した委員は、それら品目の審議に参加できない。また、50万円以上300万円以下を受領した委員は、審議には参加できるが議決に加われないとされた。

■新薬再審査期間、6年から8年に

 厚生労働省は新医薬品の再審査期間を、現行の原則6年から8年に延長することとし、1月24日に薬事・食品衛生審議会に諮問した。対象となるのは、いま再審査期間内にある2001年4月以降に承認された新有効成分含有医薬品。今後、部会で審議する新有効成分含有医薬品も、8年として取り扱われる。

 この理由を医薬食品局審査管理課は「安全対策上の観点から」と説明したが、政府が昨年6月に定めた「知的財産推進計画2006」で、医薬品のデータ保護期間を8年に延長することに応える形となり、業界が要望していたデータ保護問題が事実上決着した。

■OTCへの転用”新たな道筋整備

 医療用医薬品の有効成分を一般用医薬品へ転用していくことに関し、厚生労働省はOTCスイッチをスムーズを進ませるための新しい枠組みを、3月22日に開いた薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会に提案し、了承された。

 医療用医薬品の有効成分のうちから、一般用医薬品へのスイッチが適当と考えられる成分を選び、関係学会の意見を聞いた上で薬食審が討議、公表し、転用を進めようというもの。

 この厚労省の方針を踏まえ、日本大衆薬工業協会は転用スキームを円滑に進める狙いで、4月24日に「スイッチOTC薬候補リスト」をまとめ発表した。日本及び海外の状況も踏まえて作成されたもので、候補品目は70成分に及んだ。

■病薬配置基準の見直しに至らず

 昨年末から厚生労働省の検討会で進められてきた病院薬剤師の配置基準見直しについて、現時点での結論が7月末にまとまった。現行の基準をすぐに見直す考えは打ち出されなかったが、病院薬剤師業務の重要性が再確認され、各病院が薬剤関連業務を行うのに十分な薬剤師数を確保することが重要との方向性が提示された。

 検討会では、日本病院薬剤師会に実態調査が依頼され、それを基に議論が進められた。実態調査からは服薬指導、薬学的ケア、医療の安全確保など、病院薬剤師が幅広い業務に取り組み、医療の向上に大きな役割を果たしていることが明らかになった。

 しかし、薬学教育6年制がスタートするなど、薬剤師需給の見通しが立たないこと、病院の規模等により果たす役割が異なることなどを理由に、現時点では見直しを行わないと結論した。

■MRの教育・認定、抜本的に改革へ

 MRの教育研修制度と認定制度の抜本的な改革に向けて、医薬情報担当者教育センターが具体的に動き出した。抜本改革の方向性としては、効果的・効率的なMR教育と、認定試験受験資格の段階的拡大に主眼を置いている。3月30日に開いた理事会で報告書が了承された。

 改革の具体的な内容では、資質向上を目指した継続教育における成果確認の義務づけ、時代に即した教育カリキュラムの見直しと共に、2008年度から導入する受験資格の一部拡大が大きなポイントとなっている。




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