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日病薬新執行部、問われる組織のあり方

2008年2月8日 (金)

 来年度の日本病院薬剤師会の新執行部が2日に決定した。常勤会長として一人立候補していた堀内龍也氏(群馬大学病院薬剤部長)が信任を得た。昭和薬科大学の学長選に出馬するという、伊賀氏の突然の転身により混迷したかに見えた日病薬の新会長選びは、これで一件落着した。

 一方、副会長については定員を1人上回る4人が立候補し、初の選挙が行われた。得票数上位の遠藤一司(国立がんセンター東病院)、佐藤秀昭(石巻市立病院)、山田勝士(鹿児島大学病院)の3氏が選任され、梶谷文裕氏(大阪市立総合医療センター)は落選した。

 会長、副会長立候補の選挙管理規程は「推薦者5人以上」とされている。今回の遠藤、佐藤、山田の3氏の推薦人は、相互に推薦しかつ、本人を除く同一推薦人8人が名を連ねた。代議員会の中で「相互に推薦者となることは不自然。推薦者のあり方が不信感を惹起する」と問題提起がなされた。候補者4人中、梶谷氏のみが3氏と異なる独自の推薦人を集めていた。

 伊賀会長はその点について、「規程はなく、今後の新執行部の中で透明性が担保されるよう、次期執行部に伝えたい」と受け流した。確かに同じメンバーが、「候補者3人を推薦してはならぬ」とはなっておらず、規定上は問題はないが、あまりに露骨ではないか。が、3氏はいずれも過半数の得票を得て、当選したのは事実。これを承知の上で信任したとも言えよう。

 現会長の伊賀氏は、専任会長(常勤)になることを前提に出馬。総投票数119票中76票と6割の票を得て当選した。しかし、その後も国際医療福祉大学薬学部長を1年ほど継続、片や日薬副会長と多くの公職をこなし、とても専任会長というには忙しすぎる環境にあった。

 伊賀氏は就任当初、新執行部が取り組むべき課題とし、[1]人員配置基準[2]診療報酬上における病院薬剤師の評価[3]長期実務実習への対応[4]中小病院問題[5]専門薬剤師制度の確立[6]国際交流推進――の6点を掲げ、それに対応する実務型の新執行部体制を作り上げると抱負を語っていた。いずれも長期的展望に立った対応が求められる難題だ。

 次の日病薬を引き継ぐ堀内氏は、[1]事務局強化[2]統計専門家の養成による客観的データ作り[3]実績が社会から見えるよう、先取りした業務展開[4]環境整備と診療報酬への反映――などを抱負として挙げた。現執行部の課題は、刷新される次期執行部にとっても課題のようだ。

 退任に当たり伊賀会長は、癌と感染制御につき予定通り研修生を送り出し、感慨深い。2年目は人員配置の報告が公式に出され、これから先の希望が持てる方向性が打ち出された。「短い期間だったが、何年かではなく何をするかだ」と振り返った。

 しかし、“転身”自体については、立候補者受付中の本紙報道(12月10日号)を見て初めて知った幹部も少なくないという。それだけに新会長以下の新執行部選びは急を要したが、一種の危機感と連帯感をもたらしたと言えなくはない。

 2004年末現在、全国の届け出「薬剤師数」は24万人に対し、薬剤師会の組織率は50%を下回っている。関連団体の組織力は増強される中、何年も「打つべき手」は検討中という。かつて「分業獲得」を錦の御旗に集結した時代を知る人も、平安の時代を謳歌し、組織の重要性は薄れつつあるのではないか。

 病薬も、かつては人員配置問題で緊迫した空気はあったが、時代は変わり、それなりに満足感が漂っている。分業も人員配置も、未だ“規程”自体は旧来通り。社会環境・経済動向によっては、“かつての時代”に引き戻されてしまう可能性は残されている。誰のための職能か、誰のための職能集団か、改めて考えてほしい。




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