スイスのノバルティスは、BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤「タシグナ」の治療を中止した慢性期フィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)患者を対象に、144週時点の無治療寛解(TFR)率を評価した第II相試験「ENESTop」「ENESTfreedom」で、患者の約半数がTFRを達成したと発表した。寛解後に治療をやめても3年間寛解が持続する患者が半数に上る優れた結果で、CMLが命にかかわる疾患から治癒を目指せる疾患になりつつあることを示す。また、TFRを喪失した患者のほぼ全員が治療再開後に分子遺伝子学的大寛解(MMR)を再達成した。今回のデータは、米シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)の第54回年次総会で発表された。
「ENESTop」「ENESTfreedom」は、タシグナで寛解を達成したPh陽性のCML患者の治療のやめどきを評価する試験。「ENESTop」は、先行品「グリベック」からタシグナに切り替え、3年以上タシグナを投与し、分子遺伝学的寛解(DMR)を達成した18カ国63施設のPh陽性CML患者126人に対し、治療中止を評価した。48.4%の患者で144週間後にTFRを維持できていた。また、MMR喪失によりタシグナによる治療を再開した24人中、95.8%にあたる23人が分子遺伝学的効果(MR)を回復した。
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