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薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会は29日、植え込み型ペースメーカーや植え込み型除細動器のリードを安全に抜き取る「ペースメーカ・除細動器リード抜去キット」(申請者:ディーブイエックス)の承認を了承した。早ければ6月中にも承認される見通し。
体内に医療機器を挿入していることで起こる感染症などが原因で、機器のリードを抜き取ることがある。現状ではリードとの癒着部を剥離しながら抜き取るため、心筋を傷つけてしまうことがあった。
同キットは、エキシマレーザ光を発生させる機能を搭載。癒着組織に向けて照射し、癒着した組織とリードを蒸散させることで、スムーズにリードを引き抜くことができるようにした。
欧州で2001年、米国では2002年に承認済。昨年2月に開かれた厚生労働省の「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」で、優先して早期に導入する機器の一つに選定されていた。
再審査期間は3年。医療機器のクラス分類はIVで「高度医療管理機器」。承認条件として▽全例調査を行う▽リード抜去術に関する講習の受講などにより、有効性や安全性を十分確保する▽合併症への対応を含め、緊急心臓外科手術ができる体制が整った医療機関で用いられるよう、必要な策を講じる――ことが付された。
■「他家培養角膜上皮細胞シート」をオーファン指定
また、この日の部会では、治療法が確立されていない、スティーブンス・ジョンソン症候群などの合併症として起きる角膜上皮細胞疲弊症の治療を目的に開発が進められている「他家培養角膜上皮細胞シート」(申請者=アルブラスト)を、希少疾病用医療機器に指定することを決めた。同社は3月28日に確認申請を厚労省に提出しており、「来年初頭の臨床試験開始を目指す」としている。同種の製品は欧州で現在治験中だが、製品化された例はない。
角膜上皮細胞疲弊症は、角膜上皮幹細胞の機能が失われて角膜の修復が行われなくなり、最終的には視力が失われる。治療法が確立されておらず、対象推定患者数は約800001万1000人。この細胞シートは角膜上皮の修復や視機能の改善を目的としている。
米国アイバンクからのヒト角膜上皮細胞をヒト由来の羊膜を基質として培養する。病状の進行を抑え、視力回復も期待できることが、発明者である京都府立医科大学眼科学の木下茂教授らの臨床研究で確認された。
アルブラストによると、1999年から現在までに60例以上の移植例がある。従来、外科的治療が禁忌とされていた急性期の症状にも対応するという。
このほか部会では、「中心循環系血管内塞栓促進用補綴材」(申請者=ボストン・サイエンティフィックジャパン)の指定も決めた。動脈瘤内にコイルを挿入して人工的に血栓を作ることで動脈瘤の破裂を防ぐ現行の「コイル塞栓術」を改良したもの。動脈瘤の入り口(ネック)部分が広いため、いったん動脈瘤内に挿入したコイルが親動脈に突出、逸脱してしまう「ワイドネック型」動脈瘤の治療を目的に開発された。
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