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薬機法改正案、国会論戦に注目

2019年02月15日 (金)

 厚生労働省は先月の自民党厚生労働部会で、今通常国会に提出予定の法案概要を説明し、薬機法改正案の提出時期を3月上旬とするスケジュールを示した。

 法案には、薬剤師が調剤時だけでなく、必要に応じて継続的な服薬状況の把握や服薬指導を行う義務を法制化することや、患者が自身に適した薬局を選択できるようにするため、機能別の薬局を法律上導入(名称独占)することなどを盛り込む方向で調整している。

 このうち薬局の機能分類については、▽入退院時や在宅医療で医療機関などと連携して対応できる薬局▽癌などの専門的な薬学管理ができる薬局――を想定しているようだ。

 今回の薬機法改正は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会での議論が医薬分業のあり方に集中したこともあり、薬剤師・薬局関連の事項に関心が集まっているが、製造販売業者・薬局開設者のガバナンス強化や課徴金制度の導入、医薬品行政を監視する第三者組織の新設、血液法改正など、かなり広範囲にわたっている。

 中でも、「先駆け審査指定制度」や「条件付き早期承認制度」の法制化など、医薬品・医療機器をより安全・迅速・効率的に提供するための制度改善は、製薬業界にとって最大の関心事だろう。

 先駆け制度は、世界に先駆けて開発され、早期の治験段階で有効性が見込まれる医薬品などを対象としたもので、指定された品目は薬事承認に係る相談・審査において優先的な取り扱いの対象となる。

 条件付き承認制度は、患者数が少ないなどの理由で医薬品などの治験に長期間を要する場合、一定の有効性・安全性が認められることを前提に条件付きで早期に承認する仕組みで、いずれも企業の開発を後押しするものと捉えることができる。

 政府主導で進められた薬価制度抜本改革や、いま中央社会保険医療協議会で議論が進んでいる費用対効果評価などは、薬価引き下げの意味合いが強いテーマとなるだけに、イノベーションを評価する仕組みを薬事制度の中で位置づけることの意義は大きい。

 ただ、心配なのは国会日程だ。国会審議は概ね、予算案、予算関連法案、非予算関連法案の順番で進められるため、非予算関連法案の改正薬機法案は優先順位が高くない。

 7月に参院選が控えている影響で国会の会期延長が見込めず、厚労省の不正統計問題に審議時間の多くが割かれることも予想され、不透明な状況だ。

 2013年の薬事法改正の国会審議と同様、難しい舵取りが迫られそうだが、タイトなスケジュールの合間を縫って、薬局・薬剤師、医薬品業界が明るい展望を抱ける論戦が国会で繰り広げられることを期待したい。




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