厚労研究で有用性示唆
睡眠薬など処方薬を繰り返し過量服用している患者の乱用を防ぐため、お薬手帳を活用した病院薬剤師と薬局薬剤師の情報共有が有効である可能性が、厚生労働科学研究班「薬物乱用・依存状況等のモニタリング調査と薬物依存症者・家族に対する回復支援に関する研究」(代表:嶋根卓也国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所室長)の調査で明らかになった。患者全員が保有し、ほとんどが同じ薬局を利用していることから、お薬手帳が乱用防止の有用なツールに浮上した。また、薬薬連携については患者の9割以上が「情報共有により乱用が防げる」「安心感が増す」などと肯定的に捉えていることも分かった。研究班は、病院・薬局薬剤師が共有すべき情報を明確にすることを薬薬連携構築の課題に挙げている。
研究班は、定められた用法・用量を超えて処方薬を使用する乱用を防止するため、入院前に医薬品を乱用していた患者が病院薬剤師から薬局薬剤師にどのような情報提供を望んでいるかを明確にすることを目的に研究を計画。国立精神・神経医療研究センター病院の精神科病棟に入院し、昨年8月から今年1月に薬剤管理指導初回面談を行う患者で、過去1年以内に医薬品の乱用歴がある30人を対象に調査を行った。
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