
帝人ファーマは5日、うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)装置「ニューロスター」の国内販売を開始した(写真)。既存の抗うつ剤治療で十分な効果が認められない成人うつ病患者に対し国内初のrTMS装置として保険適用を受けている。
ニューロスターは、米医療機器メーカー「ニューロネティクス」が開発したrTMS装置。2008年に米国で承認を取得し、10年で6万人の治療実績がある。帝人ファーマが国内独占販売権を保有している。
頭部に当てた磁気コイルから、非侵襲的に左背外側前頭前野に磁気刺激を与え、神経伝達物質の放出を促すことで脳内を活性化させる。約40分の治療を週5回、計20~30回行うことで、うつ症状を軽減、消失する効果を発揮する。
同装置の副作用としては、頭痛や治療部位の不快感などがあるが、一般的な抗うつ薬で見られる全身的な副作用は発生しにくいという。治療の実施者には、日本精神神経学会が主催する「rTMS実施者講習会」、帝人ファーマが主催する実技講習会の受講が条件になっている。