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スイスの製薬企業フェリング・グループが日本で事業を本格化させる。同グループのミッシェル・L・ペティグリュー最高業務執行責任者、マーク・ノグル日本法人社長ら幹部は7日に都内で会見し、2017年には日本で300億円の売上を目指す方針を示した。
同グループは不妊治療、泌尿器科、消化器疾患の専門領域に特化した製薬企業。主力とする不妊治療領域では第3位のシェアを持つが、将来的には同領域においてトップを目指すことをなどを打ち出している。
世界にも主要41カ国に拠点をもち、07年度の売上高は約1280億円。日本法人は01年に設立したが、これまでは主に臨床開発業務や薬事業務などを行ってきた。
日本で販売しているのは、▽ペンタサ(炎症性腸疾患、日清ファルマ)▽グロウジェクト(ヒト成長ホルモン、日本ケミカルリサーチ)▽デスモプレシン(中枢性尿崩症・夜尿症、協和発酵)‐‐など。これらは導出先企業を通じて販売しており、年間の売上高は約250億円。また、国内でアステラス製薬が前立腺癌治療薬デガレリクス(PII)を開発している。
そのうち、デスモプレシンについては、今月から協和発酵と共同販促を開始した。他の既発売品については共同販促の予定はない。
営業展開では、日本での初めての自販製品となるヒト下垂体性性腺刺激ホルモン「HMG注射用75IUフェリング」を28日から発売する。現在のMR数は17人だが、今後製品群の充実などが見込まれることから、MRの増員も積極的に進めていく考えだ。
ペティグリュー氏は会見で、グループ全体の売上高として、年間平均10%の成長を目指し、17年には世界で売上高約3000億円を達成させる考えを表明。その時点で、日本での売上比率を米国の35%に次ぐ、10%以上の規模に成長させるという意欲的な目標を示し、重要な市場と位置づけて、日本におけるビジネス強化を図る考えを明らかにした。
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