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【積水メディカル】米の「ゼノテック」を買収”薬物動態事業で海外本格進出

2008年07月11日 (金)

福田社長
福田社長

 積水メディカルは9日、米国の薬物動態試験受託企業「ゼノテック」を買収すると発表した。米国市場にインビトロ試験で参入し、海外で実績がなかった薬物動態事業の本格的な海外進出を果たす。ゼノテックの買収と積水メディカルの技術導出を並行して進め、2011年には海外売上高を45億円まで拡大する方針だ。同日会見した福田睦社長は、「17年には米国の薬物動態市場シェアの10%を獲得したい」と海外展開への意欲を語った。

 4月に発足した同社は、中期事業ビジョンの柱として、海外事業基盤の構築を掲げている。そのうち非臨床試験を受託する薬物動態事業は、国内市場の36%と圧倒的なシェアを誇っているが、海外では実績がなく、さらなる成長には米国への事業展開が不可欠と判断した。

 今回の買収は、薬物動態分野のインビトロ試験で米国シェアのトップを占めるゼノテックを傘下に収めることで、薬物動態事業の海外展開基盤を短期間で構築するのが狙い。米国で医薬品開発に精通した人材と顧客網を確保すると共に、同社のヒトキメラ肝臓マウス試験などの技術・ノウハウを導出し、米国市場で薬物動態試験受託事業を急拡大させたい考え。

 11年には、中期計画に掲げる薬物動態事業の海外売上高20億円を上回る45億円を目指しており、福田社長は「ゼノテックの事業と合わせ、積水メディカルからの導出技術とのシナジーで、中期目標を上回る売上を達成したい」と語った。

 ただ、薬物動態試験市場でインビトロ試験が占める割合は10%程度の規模で、ほどんどは動物で化合物の吸収、分布、代謝、排泄を評価するインビボ試験が占めている。福田社長は「インビボ試験は飼育施設を必要とするため、大きな投資が必要になる」との認識を示し、当面はインビトロ試験の事業展開に注力する考えを述べた。

 その上で福田社長は、17年には米国の薬物動態市場が1500億円規模に拡大するとの見通しを示し、「ゼノテックと導出技術で米国市場のシェア10%を獲得したい」と意欲を語った。

 ゼノテックは、1994年に米国で設立された薬物動態試験ベンチャー。昨年度売上高は約16億円。

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