徳島大学臨床薬理学研究室の座間味義人准教授らの研究グループは、副作用自発報告のリアルワールドデータ(RWD)を解析することで、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)によって誘発される心筋炎の発症リスクが高い患者群を明らかにした。約200万の報告事例をもとに、年齢や性別が心筋炎の発現に与える影響を調べたところ、ICIを投与された75歳以上の高齢者や女性では、特に心筋炎を発症する割合が高くなることが分かった。研究成果は、米医学雑誌「JAMA Oncology」に掲載された。
座間味氏らは、米国食品医薬品局(FDA)が公開している副作用の自発報告データベース「FAERS」から197万9157症例を抽出し、解析に用いた。
登録症例のうち、現在日本で使用されている5種類のICIとしてアテゾリズマブ、デュルバルマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブが投与された患者は1万3096人存在し、このうち心筋炎を発症した症例数は105人、発症割合は0.802%だった。
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