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山口社長
日本ケミファの山口一城社長は29日、都内で開いた記者懇談会で、第一三共に買収されたインド大手ジェネリックメーカーのランバクシーとの提携関係について、「合弁の日本薬品工業が(業務提携から)5年間で4品目の半製品しか日本市場に投入できておらず、当初考えていた最終製品を供給できなかった」と成果に疑問を表明。「今後どうなるか断定的なことは言えない」としながらも、「提携の成果を総括し、それを踏まえて日本薬品工業をどう位置づけるかを考えていかないといけない」と述べ、ランバクシーとの業務提携の見直しを示唆した。
日本ケミファとランバクシーは、2002年に包括的業務提携に合意。合弁会社の日本薬品工業を通じて、ランバクシーのジェネリック医薬品の販売を進めてきたが、6月に第一三共がランバクシーを買収したことで、日本ケミファとの提携関係の行方が注目されていた。
山口氏は、第一三共のランバクシー買収に関して、「日本のジェネリック全体にとっては良いことではないか」とした上で、日本ケミファとランバクシーの関係については、「日本薬品工業を通じて4品目を日本市場に投入したが、最終製品ではなく半製品の輸入にとどまっており、業務提携の成果を総括しなければいけないと考えていた」との認識を明らかにした。その上で、「最終製品を日本市場に投入できるところまで持っていきたかった。そこまでしなければ提携した意味がない」と述べ、業務提携の成果に疑問を呈した。
さらに、最重点課題に位置づけるジェネリック医薬品事業に関して、山口氏は「政府が示したアクションプランのハードルが上がってきており、品目供給能力の向上がポイントになる」と指摘。「ジェネリック医薬品の自社開発体制を整えているが、グループ単独で全てを担うことはできないので、いい相手があれば提携を考えていく必要がある」と述べ、新たな業務提携の可能性を示唆した。
6月12日の記者会見で、ランバクシーのシンCEOは「合弁会社は好調に推移しており、今後も提携関係を尊重していく」との考えを明らかにしていたが、日本ケミファ側の成果の判断次第では、ランバクシーとの提携関係見直しに発展する事態も考えられる。
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