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使い捨てタイプの自己血糖測定器具を使っていた全国の病院で、複数の人に使い回していた病院が3分の2近くに上ることが、厚生労働省の調査で分かった。針を交換していなかった事例は病院ではなかったが、診療所では2施設あった。同省では、都道府県などを通じて医療関係者に、使い捨て器具を複数人に使うことがないよう通知で注意喚起する。また、複数の人への使用があった施設をインターネットで公表し、該当する施設で採血検査を受けていた場合は、医療機関や保健所に連絡するよう呼びかける。
調査は、4月に島根県の診療所で針を交換せずに使用し続けたことが発覚したことを受け、このタイプの器具の納入が始まった1990年度以降の不適正使用について、全国の病院と診療所を調査していた。
病院調査では、使い捨てタイプの自己血糖測定器具を使用していた5062病院のうち、針を交換していたが器具を複数人に使用していた施設が3291施設に上った。針の未交換は報告されていない。未回答も37施設あった。
診療所調査では、使用実績のある1万7497施設のうち、半数近くの8456施設が針を交換していたが、複数人に使用していた。針の交換もしていない施設が2施設あった。
都道府県別では47都道府県中、同一器具の複数人への使用があったのは12自治体。市町村別にみると、不適正使用のあった市町村数は年を追うごとに増えてきており、90年度は14自治体だったが、97年度は100自治体、03年度は203自治体、05年度の243自治体をピークに、07年度は197自治体あった。
このような事態が相次いだ背景調査はしていないが、同省医政局医療安全推進室は、「(使い回しの禁止を明記している)添付文書をよく読んでいなかったのではないか。また危ないものという認識していなかったのではないか」と話している。
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