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厚生労働省の先進医療専門家会議は7日、甲状腺髄様癌の原因となるRET遺伝子の診断技術を、先進医療として保険診療との併用を認めることを了承した。甲状腺髄様癌は遺伝性と非遺伝性があるため、いずれのタイプか早期に判断することで、治療法の選択に役立つことが評価された。
遺伝性甲状腺様癌の原因遺伝子はRET遺伝子で、変異部位と臨床病型の相関も明らかになっている。
非遺伝性の場合は原則として甲状腺部分切除により治療するが、遺伝性の場合は甲状腺の全摘が必須となる。また、遺伝性の場合に起こり得る合併症の検査も必要になる。RET遺伝子診断により、約97%で遺伝性かどうかの確定診断が可能になる。
診断では、採血により末梢血から白血球DNAを抽出し、RET遺伝子の特定部位を増幅し、塩基配列を解析する。
実施要件として、外科と小児外科、耳鼻科、内科で5年以上の経験を持つ、それぞれの診療科の専門医または内分泌代謝専門医で、当該技術に1年以上、1例以上の経験が必要。医療機関としての実施数は1例以上。また、初めてこの診断を実施するときは、事前に倫理委員会に諮ると共に、遺伝カウンセリングの実施体制も必要となる。
なお、▽角膜ジストロフィの遺伝子診断▽末梢血単核球細胞移植による急性心筋梗塞に関する血管新生療法▽内視鏡下筋膜下穿通枝切離術””の3技術については書類不備、「求心路遮断痛に対する少量ケタミン点滴療法」は適応外使用のため差し戻された。
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