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流通慣行改善にも取り組む

業務・資本提携を説明する田尻氏
アルフレッサホールディングスとメディカルシステムネットワーク(札幌市/MSNW)は24日、調剤薬局事業の展開・拡大と調剤薬局の経営支援、流通慣行改善の共同取り組みに関して、業務提携と資本提携契約を締結した。MSNWの田尻稲雄社長は東京で記者会見し、業務提携内容を説明したが、特に、医療用医薬品の流通慣行改善については共同で取り組み、「当社がベンチマークとなるような価格形成を実現したい」と述べ、業界慣行の改革と主導権獲得への意欲を示した。業務提携を補完するため、MSNWの完全子会社で調剤薬局持ち株会社ファーマホールディング(札幌市)の株式9・8%(210株、売却価額12億0100万円)を、アルフレッサHDに譲渡する資本提携も行われる。譲渡日は30日。
業務提携は、両社の経験と強みを融合することで、調剤薬局分野と医療用医薬品流通分野において、相互の企業価値向上を図ることを目的としている。
具体的には、[1]調剤薬局事業における提携:MSNWグループが展開する調剤薬局事業の展開・拡大へ、アルフレッサHDが協力[2]調剤薬局の経営支援:アルフレッサHDは、既存顧客への付加価値提供の観点から、MSNWグループが医薬品ネットワーク事業で提供する調剤薬局向け支援サービスを、グループ各社の取引先調剤薬局に展開できるよう協力するほか、両社共同で調剤薬局支援システム(レセコン、医薬品受発注システム、財務支援システム等)の研究・開発を行う[3]医療用医薬品の流通慣行改善に向けた共同取組:未妥結仮納入の改善、経済合理性に基づいた価格形成など、医療用医薬品の流通慣行改善に共同で取り組み、業界慣行の改革を目指す――としている。
田尻氏は、パートナーにアルフレッサHDを選んだ理由について、「医療用医薬品の価格がバイイングパワーで決まるとされているが、卸はまともな価格を提示したことがなかった」と指摘した上で、「流通改善への取り組みを事業計画に記しているのが、唯一アルフレッサだった。渡邉新社長と交友があり、未妥結仮納入の改善について意見交換を続けてきた。調剤薬局市場でトップシェアなのがアルフレッサであることも大きな要因だ」と説明した。
アルフレッサは、調剤薬局事業への本格的展開を控えていたが、他の大手卸が調剤薬局事業展開を加速しているなどの背景もあり、「今回の提携に至った」ととしている。
1999年創業のMSNW(東証2部、大証ヘラクレス)は、病院・診療所、調剤薬局の効率経営をサポートする医薬品等関連事業(受発注の合理化・効率化を図る医薬品ネットワーク、調剤報酬債権流動化、デッドストック消化支援)と、地域に根差した「かかりつけ薬局」を謳う調剤薬局事業(薬剤師教育研修)の2本を中核事業として展開している。
グループの店舗数は170(調剤薬局164)で、同社のネットワークには一般から334店舗が加盟している。07年9月期の連結売上高は320億6675万円。
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