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超メガ卸誕生で流通は新時代に

2008年10月17日 (金)

 医薬品流通環境が大きな過渡期を迎えた。先週末、医薬品卸国内1位のメディセオ・パルタックホールディングスと2位のアルフレッサホールディングスが来年4月に合併し、新会社アルフレッサ・メディパルホールディングス(AMPH)を発足させると発表、医薬品業界関係者に大きなインパクトを与えた。両社統合に伴う連結売上規模は4兆円を超え、国内医薬品流通市場の約半数を、1企業グループが担う形となる。医薬品卸の再編が、一気に最終局面を迎えそうだ。

 この10年ほどで、大都市圏を基盤とする卸を中心とした全国的な再編淘汰が進んできた卸業界だが、この数年はビッグ4と称されるナショナルホールセラーと、地方有力卸にほぼ集約され、その中で一定の均衡が保たれている感があった。そうした中、今回の合併で誕生する新会社は、従来にない圧倒的な規模を持つことになる。その意味で、業界のリーダーカンパニーとして果たすべき使命と責任は非常に重い。

 一方、今回の合併で高シェアとなり、独禁法に抵触する可能性について、メディ・パルHDの熊倉貞武社長は10日の記者会見で、「公正取引委員会に申請中である。医療用医薬品、一般用医薬品、試薬、医療機器、SPDなど全てのデータを提出して抵触しないことを説明している」ことを強調した。

 同社は、過去にも一般用医薬品分野で小林製薬からコバショウを買収する際、極端にシェアが高くなった中国エリアに関し、地元卸との調整で対応した。仮に、高シェア地域が出た場合も、営業権譲渡などの対応で「合併に向けた調整に支障はないのでは」(メーカー筋)との見方は強い。

 いずれにせよ、超メガ卸の誕生が現実となったいま、3位以下のスズケンや東邦薬品などのナショナルホールセラー、「葦の会」グループなどの各企業がどう対峙していくかにも注目が集まる。ある一定の規模を追求した企業連携や統合が、さらに加速していくのは必至の状況となろう。ただ、スケールを背景とした価格競争ではなく、医薬品卸としての機能競争への方向性が見出せなければ、存在自体が取引先から否定されるような状況も出てくるに違いない。

 医薬品卸は現在、医療用医薬品流通では、医療機関との未妥結・仮納入などの流通改善などに向けた新たな体系構築という喫緊の課題を抱えている。その一方で、宅配大手のヤマト運輸が、ジェネリック薬に限定されるが医療機関・調剤薬局の直接取引を行う医薬品流通システム「ヤマトメディカルダイレクト」の運用を開始。異業種による新たな医薬品流通への参入も始まるなど、業界環境も徐々に変化の波にさらされている。

 また、一般薬流通では、来年6月の改正薬事法の全面施行に伴い、販路拡大への対応を余儀なくされる局面もあり、さらなる効率化が課題となる。一般薬の流通再編では、全国カバーに向けた三大潮流ができつつあったが、AMPHが発足すれば、一極集中化がさらに進む状況となる。

 今後、医薬品卸の寡占化に伴う企業数の減少が、従来の取引形態や商慣行、さらに物流機能の刷新に大きな影響を及ぼすことが予測される。

 従来、製薬企業という川上と、医療機関、薬局・薬店、ドラッグストア等の川下の間で、ある種、翻弄されてきた医薬品卸だが、これからも持続的な成長を遂げるには、正常な医薬品流通の基盤を整備することが必要だ。新たな時代を迎えた医薬品卸の動向に注目したい。




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