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「スーパー特区」24件を採択‐先端的・実用的な研究推進

2008年11月20日 (木)

 健康研究推進会議は18日、最先端の再生医療や医薬品・医療機器の開発・実用化を目指す「先端医療開発特区(スーパー特区)」として、24件のプロジェクトを採択した。選定されたのは、iPS細胞の医療応用加速や、免疫医薬品、次世代感染症ワクチン、癌ワクチン、精神神経難病の克服に向けた医薬品開発など、いずれも先端的・実用的なテーマばかり。研究開発は今年度から5年計画で進められる予定で、画期的な新薬の登場や医療・医薬品開発の水準向上に、大きな成果が期待される。

 スーパー特区は、革新的技術の開発を阻害している要因を克服するため、研究資金の弾力的運用や開発段階から規制を担当する機関等との意見交換や相談等を試行的に行う「革新的技術特区」の創設を目指した取り組みの一つ。

 最大の特徴は、従来の行政区分による特区と異なり、テーマを重視した特区であること。先端医療に取り組んでいる研究機関や企業に所属する研究者グループの開発プロジェクトを、資金その他で支援することが狙いだ。

 課題の公募や採択など、特区の運営は健康研究推進会議が担当する。今回は、[1]iPS細胞応用[2]再生医療[3]革新的な医療機器の開発[4]革新的バイオ医薬品の開発[5]国民保健に重要な治療・診断に用いる医薬品・医療機器の研究開発――の5分野について公募が行われた。全部で143件の応募があり、産業化・実用化の道筋が分かりやすく、個別具体的なシーズが医薬品や医療機器の開発につながりやすい等の観点から評価が行われ、最終的に次の24課題が選定された。

 ◇iPS細胞応用

 iPS細胞医療応用加速化プロジェクト: 山中伸弥(京都大学)
 ヒトiPS細胞を用いた新規in vitro毒性評価系の構築:水口裕之(医薬基盤研究所)

 ◇再生医療

 中枢神経の再生医療のための先端医療開発プロジェクト”脊髄損傷を中心に:岡野栄之(慶應義塾大学)
 細胞シートによる再生医療実現プロジェクト:岡野光夫(東京女子医科大学)
 先進的外科系インプラントとしての三次元複合再生組織製品の早期普及を目指した開発プロジェクト:高戸毅(東京大学)
 歯髄幹細胞を用いた象牙質・歯髄再生による新しいう蝕・歯髄炎治療法の実用化:中島美砂子(国立長寿医療センター)
 ICRの推進による再生医療の実現:西川伸一(先端医療振興財団)

 ◇革新的な医療機器の開発

 生体融合を可能とする人工関節の患者別受注生産モデルの構築:蔵本孝一(ナカシマプロペラ)
 社会ニーズに応えるオンリーワン・ナンバーワン医療機器創出プロジェクト:里見進(東北大学)
 「先端放射線治療技術パッケージング」によるミニマムリスク放射線治療機器開発イノベーション:白土博樹(北海道大学)
 日本発の独創的な技術に基づいた情報型先進医療システム開発:砂川賢二(九州大学)
 医工連携による先進医療開発実用化プロジェクト:永井良三(東京大学)
 先端的循環器系治療機器の開発と臨床応用、製品化に関する横断的・統合的研究:橋本信夫(国立循環器病センター)
 イメージング技術が拓く革新的医療機器創出プロジェクト”超早期診断から最先端治療まで:平岡真寛(京都大学)
 メディカルフォトニクスを基盤とするシーズの実用化開発:間賀田泰寛(浜松医科大学)

 ◇革新的バイオ医薬品の開発

 免疫先端医薬品開発プロジェクト”先端的抗体医薬品・アジュバントの革新的技術の開発:岸本忠三(大阪大学)
 迅速な創薬化を目指したがんペプチドワクチン療法の開発:中村祐輔(東京大学)
 複合がんワクチンの戦略的開発研究:珠玖洋(三重大学)
 次世代・感染症ワクチン・イノベーションプロジェクト:山西弘一(医薬基盤研究所)

 ◇医薬品・医療機器の研究開発

 がん医薬品・医療機器 早期臨床開発プロジェクト:江角浩安(国立がんセンター東病院)
 消化器内視鏡先端医療開発プロジェクト:田中紘一(先端医療振興財団)
 難治性疾患を標的とした細胞間シグナル伝達制御による創薬:中尾一和(京都大学)
 精神・神経分野における難病の克服に向けた医薬品・医療機器の開発:樋口輝彦(国立精神・神経センター)
 急性脳梗塞早期系統的治療のための分野横断的診断治療統合化低侵襲システムの開発:古幡博(東京慈恵会医科大学)



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