徳島県鳴門市の病院で発生した投薬ミスによる事故に対し、日本病院薬剤師会は「疑義照会の徹底及び医薬品安全管理手順書」の緊急点検等を実施するよう、21日付で全国の病院薬剤部長宛に通知、同会ホームページにも掲示した。同事件は、抗炎症剤「サクシゾン」を投与すべきところを、筋弛緩剤「サクシン」を誤投与されたもの。
それによると、疑義照会する際は「処方意図を確認する等、具体的な疑義内容を示して照会を行うことが重要」と、一歩踏み込んだ照会を求めている。オーダリングシステム等が導入されている施設では、筋弛緩薬等の文字を薬品名の頭に付加し、当該薬剤が筋弛緩薬であることを明示する。索引名に頭にハイリスク薬の記号等を付加するなどの工夫を求めている。
名称類似医薬品の取扱では、一方を中止する方法はあるが、オーダリングシステム上、注意喚起されずに、確定画面に展開する事例。医師の異動により採用薬や規格など十分把握されていない可能性””があるとし、抜本的対策ではないことの再認識を求めている。薬剤選択ではできれば五十音方式ではなく、薬効別選択方式や医師別の使用薬剤登録方式など、各施設でのシステムの薬剤選択機能を再確認、活用についての検討を求めている。さらに医薬品安全管理責任者に対し、各医療機関で定める「医薬品の安全使用のための業に関する手順書」のハイリスク薬に関する定義品目および手順類の妥当性について改めて検討、実施状況について緊急点検を行うこと。各施設内でハイリスク薬、その取扱に関して各職種に周知徹底を図ること””を求めている。