厚生労働省は、無承認無許可医薬品等に関する2005年度買い上げ調査の結果を公表した。いわゆる健康食品のうち、強壮効果を標榜する製品(強壮用健食)、痩身効果を標榜する製品(痩身用健食)、さらに最近乱用が問題となっている違法ドラッグの調査が行われた。その結果をみると、違法ドラッグでは25製品から幻覚作用等を持つ物質が検出されるなど、医薬品成分などを含む健食や違法ドラッグが依然として後を絶たず、薬物乱用への影響も懸念される状況だ。
調査は47都道府県に買い上げ業務を委託し、昨年9月から今年3月まで実施したもの。各都道府県合わせて268製品(重複品目を含めると延べ277製品)を購入し、国立医薬品食品衛生研究所で医薬品成分の分析を行った。
結果をみると、強壮用健食は134製品のうち27製品から、勃起不全治療薬のシルデナフィル、タダラフィルに加え、これらの成分と構造が類似したホンデナフィル、ノルネオシルデナフィル等が検出された。痩身用健食66製品の中には、医薬品成分が検出されたものはなかった。
違法ドラッグについては、68製品のうち25製品に、幻覚作用等を有する物質が含有されていた。検出された主な成分は、トリプタミン系として5-MeO-AMT、5-MeO-MIPT、ハルミンなど、フェネチルアミン系でBDB、MMDA-2など、エフェドリン系でエフェドリン、プソイドエフェドリンなど、亜硝酸エステル類では亜硝酸イソプロピル、亜硝酸イソブチル、そのほかサルビノリンA、ヨヒンビン等も検出されている。
厚労省によると、医薬品成分が検出された製品は無承認無許可医薬品に該当することから、当該製品を取り扱う業者等に対しては、関係都道府県などが販売中止や回収等の必要な措置を講じたとしている。