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【評価機構・医療事故報告書】禁忌薬投与などで注意喚起‐薬剤関連事故の30件を分析

2008年12月12日 (金)

 日本医療機能評価機構は、709月に報告された医療事故情報の状況をまとめた報告書を公表した。個別テーマで、薬剤に関連した医療事故30件の分析を行った結果、注射器の取り違えや、禁忌薬の投与などが発生していることから、注意を喚起した。

 薬剤関連の医療事故は、「実施段階」で発生したのは17件で、輸液の血管外漏出2件、持続点滴を行うところ静脈注射したが1件、輸液ポンプ等の流用設定間違い2件、注射器に準備された薬剤の取り違え3件、患者に禁忌となっている薬剤投与が1件あった。

 「指示段階」で発生したのは7件あったが、このうち患者に禁忌となっている薬剤投与が3件、化学療法時の抗癌剤取り間違えが2件あった。「指示受け・申し送り段階」では2件があり、ドパミン塩酸塩の含有量間違て過剰投与がした事例が1件あった。「準備段階」は4件で、そのうち有効期限が切れたワクチン使用、錠剤自動分包器のカセットに他の薬剤が混入したため、患者が処方されていない薬剤を内服した事例が含まれていた。

 薬剤に関連したヒヤリ・ハット事例の分析では、総発生数1560件のうち「薬剤量間違い」が287件と最も多く、次いで「速度間違い」215件、薬剤間違い」150件が続く。禁忌薬に関した発生状況は総数57件で、内訳は「薬物過敏」が31件と最も多く、「配合」が18件と続く。なお、ここでいう禁忌薬は、併用しない方がよい、配合しない方がよい薬剤なども含まれている。

 また報告書では、再び報告があった「共有すべき医療事故情報」として、薬剤関連の2件を紹介している。電子カルテにアレルギー禁忌の項目が入力不十分・記載されていなかったことなどから、禁忌薬のセフェム系薬剤が、またボルタレン坐薬が投与された事例だった。

 なお、7月から3カ月間で報告義務医療機関から上がってきた医療事故は376件だった。薬剤に関する事故は16件(4・3%)だった。



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