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【2009年年頭所感】「健康な生活」確保で職能発揮‐日本薬剤師会

2009年1月5日 (月)

日本薬剤師会 会長 児玉 孝

児玉 孝氏

 社会保障制度改革、一般用医薬品の販売制度の改正など、私ども薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しています。医薬分業も57%を超え、いよいよ60%分業の時代が到来しようとしています。処方せん受取率70%を当面の目標としてきましたから、ようやくゴールが見える地点まできたのではないかと考えています。ここまで進んだ医薬分業が患者や国民の皆さんに、素晴らしい制度だとして受け止めていただかなければなりません。そのためには薬剤師一人ひとりが調剤はもとより、一般用医薬品の供給などを通じて誠実に患者・国民に向き合い、安心して服薬していただけるように努力しなければなりません。

 医療費の抑制政策が継続している中、2008年度の医療費改定は8年ぶりの引き上げ改定ではありましたが、薬価の引き下げを考慮すると実質はマイナス改定となっています。個別の薬局経営は、処方せんの伸びほどには改善されておらず、後発医薬品の使用促進と、それに伴う在庫負担を考えますと、厳しい状況にあります。しかし、後発医薬品の使用促進という施策は、薬剤師の努力に委ねられているということも忘れてはいけないと思います。昨年末の調査では、十分に満足できる数字を示すことはできませんでしたが、薬剤師職能の発揮という観点からも、引き続きの努力を会員にお願いしたいと考えています。

 07年4月から、薬局は「医療提供施設」として位置づけられています。医薬分業が進展してきたことによる医療法の改正でありました。地域医療の中で医療提供施設としての責任を果たすことが期待されており、今後は特に在宅医療への参画が強く求められるものと考えています。昨年6月に公表されました“安心と希望の医療確保ビジョン”では、薬局に対して休日・夜間の対応と共に、患者宅への医薬品・衛生材料等の供給、緩和ケアへの対応などが求められています。在宅医療への対応は、個別の薬局のみの努力では困難な面が多いと考えます。支部薬剤師会など組織としての取り組みが重要となってきます。

 薬学教育6年制も今年で4年目に入ります。薬科大学、薬学部は長期実務実習の実施先を文部科学省に提出することになります。実習施設を付属施設として持たない薬科大学においては、市中の病院と薬局が実習生の受け入れ先としなければなりません。本会では、実習指導薬剤師の養成を含めて薬局実習の受入体制の確保に努力してきました。実習指導薬剤師の養成については、ワークショップへの参加など心配もありましたが、本年度中には全国で8000人を超える薬剤師がワークショップに参加していただける状況となっており、順調に進んでいるものと受け止めています。来年5月からいよいよ病院、薬局において、それぞれ11週の実習がスタートしますが、こちらの方も順調に進むよう心より願っています。

 今年の6月からは、販売時の対面による消費者への情報提供の実行を確実に求めて、一般用医薬品の販売制度が大きく変更されます。薬剤師は第1類医薬品はもちろんのこと、調剤や薬局医薬品を含め、全ての医薬品の提供に際して、適切な情報提供に全力を挙げていかなければなりません。昨年末にはインターネット販売について、消費者の安全を守るため、本会として大きな反対の声を挙げ、また行動してきました。二度と規制緩和の声が挙がらないよう、新たな販売制度の下で努力していくことが求められています。

 薬剤師の任務は、調剤、医薬品の供給、そして薬事衛生であります。そしてその目的は“国民の健康な生活の確保”であることを常に念頭において、業務を遂行していく所存であります。

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