副反応など相談に対応‐ワクチン専用ダイアル
福岡県薬は3月、県からの依頼で新型コロナウイルスワクチン専用ダイヤルを開設した。専門的な知識を有する薬剤師が新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応など、医学的知見が必要な専門的な相談に対応している。
副反応に関する相談のほか、ワクチンの有効性・安全性に関する情報提供、ワクチンの保管・管理に関する情報提供を行う。県民のみならず、医療従事者からの問い合わせにも土日・祝日を含めて対応し、24時間体制で常駐している。
相談受付は増加傾向にあり、1週当たりの質問者数は約2500件、質問件数は約3000件に達している。そのうち、副反応に関する相談は1週当たり2000件も寄せられ、8月8日までの延べ人数で質問者数は3万1497人となっている。




県、卸と“移動薬局”の運用協定‐災害医療に対応
福岡県薬では災害医療への対応も進めている。1月には災害発生時、避難者等に迅速・的確に医薬品を届けるために、モバイルファーマシー(災害対応医薬品供給車両)を導入した。
災害時司令塔となる福岡県、医薬品や燃料を備蓄する福岡県医薬品卸業協会、被災地で調剤する薬剤師を派遣する福岡県薬の3者で運用協定を締結した。自治体、県薬剤師会、卸団体が連携した形でモバイルファーマシーの運用スキームを整備するケースは全国初の取り組みだ。
県薬卸協の会員の営業所にモバイルファーマシーを保管し、災害時には、県の要請により医薬品を搭載して、県薬の薬剤師が乗務の上、被災地へ出動し、避難所等で調剤を行う。
車両は、県薬がベースとなるトヨタカムロード4WD/4AT(3000ccターボディーゼル、定員3人)を約1500万円で購入。県から半額補助を受けた。
車内には、水回り、錠剤棚、電子天秤、分包機、冷蔵庫等の調剤関連設備を設置し、電源はポータブル発電機、ソーラーパネル、外部電源接続の3種類を用意。デジタル簡易無線機やアンテナを装備し、被災地でも無線基地として通信手段を確保できる。
モバイルファーマシーの導入は、県では2台目となる。

被災地へ出動し、避難所等で調剤を行う

ソーラーパネルも備え、無線基地として通信手段を確保

錠剤棚など調剤関連設備を車内に設置

モバイルファーマシーでは外部電源も用意する

災害用テントの設置訓練も行っている