富士フイルムは、創薬ベンチャー「ペルセウスプロテオミクス」の株式保有比率を77%に引き上げ、子会社化した。同社は、2006年1月にペルセウスに出資して以来、抗体医薬の共同開発を進めてきたが、さらに抗癌剤・抗炎症剤等に本格参入することを目指し、抗体医薬品事業の一層の強化を図る。
同社は、写真フィルムの開発で培った独自技術とペルセウスの抗体技術を融合させることで、付加価値の高い抗体医薬の開発を進めてきたが、07年には、米キャンジェンとDDS抗癌剤の共同開発に乗り出し、昨年3月には富山化学を買収。医薬品への参入を急ピッチで進めてきた。
一方、06年には放射性同位元素(RI)を診断薬、抗癌剤に応用している第一ラジオアイソトープ研究所を買収。昨年8月には、バイエル薬品が製造販売承認を取得したRI標識抗体「ゼヴァリン」の販売を開始するなど、抗体医薬へのアプローチを強めていた。
今回のペルセウスの子会社化は、こうした医薬品事業への参入を進める一連の取り組みの一環。今後、さらに抗体医薬開発を推進することで、抗癌剤など新薬の創製に本格参入したい考えだ。
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